▽前節から続く▽
そうして箱根、熱海の十国峠の道路が悪く、と言っても金がかかりますから容易にできないのですが、駿豆《すんず》鉄道も中途までケーブルをやろうというので、私のほうの瑞泉郷の土地を譲ってくれと言ってきましたが、私はそんなケチなことをしないで、バスの道路を作るのなら大いに賛成して援助もするが、そんなケチなケーブルでは嫌だと、どこまでも突っ張ねました。箱根、熱海間というのは、どうしても大道路を作らなければならないのです。十国峠となると少なくとも一〇メートル以上、一二メートルぐらいの道路を作らなければならないです。なにしろバスが頻繁で、いまでも花見時には、箱根に行こうと思ったところが、両方にバスが止まっていて三〇分以上待たされました。そういうわけですから、どうしても道路を作らなければならないです。もしそういうように収入があったら、その金で道路を作ろうと思ってます。こっちは奉仕隊の人もたくさんいますから、箱根、熱海の道路というのは、わけないです。私が設計するつもりですが、トンネルを二つぐらい作ったらよいでしょう。なにしろまわりに人家がないから割合に簡単にゆきます。そうしたら将来すばらしいものです。箱根、熱海をそういうように繋いで、両方の地上天国をみんなに大いに楽しませるということだったら、それだけで世界的の名所になるつもりです。
▽次節に続く▽
「『御教え集』二十九号、岡田茂吉全集講話篇第十一巻p335」 昭和28年12月26日