▽前節から続く▽
水晶殿の中に優《ゆう》に一〇〇人ぐらいが腰掛けて、景色を見られるというくらいに広くしました。これも世界にないでしょう。直径一二間の円を半分に切った半円で、まわりは六尺幅の曲線ガラスで接《つな》ぎ合わせてゆくのですが、ガラスではギラギラして、日が当たると景色などは非常に見にくいのです。プラスチックですとそういうことがないので、プラスチックでやるつもりです。建築雑誌に出ていた最近できた丸い家がありましたが、三尺幅の縁《ふち》を太い木でやってますから、重苦しくてみられません。私のほうはさっき言ったとおりで、だいたいプラスチックで接ぐつもりですが、もし具合が悪ければジュラルミンの細いのを使おうと思ってます。それから下の高さ、縁の高さとか、屋根とか、私が細かく設計しました。屋根は一尺の深さで、円形で平らですが、雨が流れるように、上のほうは少し勾配をつけました。樋《とい》は外に出さないで、少し縁をつけて、すべて外から分からないようにしました。できるとなるほどと思うでしょう。以前も言ったとおり、まず関東に行ったら日光を見るとともに、どうしても熱海の地上天国を見なければならない、ということになるに違いないです。今年の日光見物に行った人は二四〇万と出てましたが、その半分としても一二〇万です。だから一ヵ年に一〇〇万は大丈夫だと思ってます。そういうわけで、外国にもずいぶん知れると思ってます。日本に来た外人は必ず来て見るに違いないです。美術館ができてからではありますが、もし予定通り一ヵ年一〇〇万来るとすると、一人一〇〇円の入場料としてもたいへんな金高になります。
▽次節に続く▽
「『御教え集』二十九号、岡田茂吉全集講話篇第十一巻p334~335」 昭和28年12月26日