▽前節から続く▽
無神論についてちょっとおもしろく書いてみました。
(御論文「無神論に就いて」朗読)〔「著述篇」第一二巻一七九―一八二頁〕
話はいろいろになりますが、今年もわずか数日でおしまいになります。ちょうど去年の一昨日の二四日が私の裁判の確定した日です。それからやっと気分的に明るくなって、思いきって仕事でもなんでも気がはいるようになったのです。ですからわずか一年で、ずいぶん発展……でなく、発展の気構えになり、そういった動きが強くなってきたようです。それで来年はいよいよ脂《あぶら》が乗って、メシヤ会館もできますし、それから箱根の美術館もすばらしい計画があるのです。それについて、来年三月に三越七階の昔の特別食堂で、浮世絵大展覧会をやることになってます。ここの面積が一五〇坪ありますが、箱根美術館は平らにして一〇〇坪だから、五割広くなるわけです。そこに箱根美術館出張展覧会というか、そういうことをやることになってます。だいたい決定しました。だから箱根美術館の非常な宣伝になるだろうと思います。無論大阪、九州にも続いてやるでしょうから、救世教の非常に特異な存在ということが世の中によく知れるわけです。それでなんとしても、新宗教がいろいろあるそれが、いかにも、はっきり言えば低級なのです。今度問題になった霊友会とか、踊る宗教とか、璽光尊とか、いかにもレベルが低いのです。そこで「救世教というやつは近ごろできて、少しは違うようだが、結局あれも新宗教の一つなのだから、たいしたことはない」と言って軽蔑するという、そういう点が大いにあるのです。それが救世教の発展の一番の邪魔をしているわけです。それで、入ってみて本当に食べてみると「これはうまい、いままでなぜ知らなかったか」ということになるのですが、そういう点を分からせるには美術館が一番よいです。ですから救世教は他の新宗教とは違う、それどころではない、既成宗教もひっくるめて、断然すばらしいというところまで認識させなければならないのです。そこまで分かれば後は楽で、すばらしい発展をするに違いないのですから、そういう点において美術館が非常に大きな役をしているのです。このごろ日本中にはかなり知れ渡ってきました。それから外人間にもだいぶ知れてきてます。二、三日前もポルトガルの公使とフランスの大使が、ぜひ浮世絵や屏風を見せてもらいたいと言ってきたが、閉館中は無理だからと言って断りましたが、来年開館すれば外人の観客もずいぶんあるだろうと思います。そうして外人間に評判されるようになって、それを日本人が知ると、大いに信用するわけです。そういう点から見ても、来年は非常におもしろいだろうと思います。
△御講話おわり△