▽前節から続く▽
薬毒というものは、信者になった人はみんな分かってますが、ただ本当に分からないのは、薬毒の量をたいていな人は少なく見ているのです。ところがこれが非常に多いのです。私はこの間なにかに、薬毒を全部除《と》るには一生かかっても難しいと書きました。まず一生のうちに薬毒を全部なくすことはできないです。二代三代ぐらいはかかるでしょう。そうなれば病気することはなく、寿命も一〇〇以上は必ず生きます。薬毒というものは、そのくらい厄介なものです。よく、ずいぶん酷い疥癬などをわずらった人が、もう自分の毒はあらかた取れたように思いますが、とんでもない話です。それから薬毒にも種類がいろいろあります。まず三つも四つも五つも六つもあります。それで疥癬はたくさん出るようですが、これは天然痘の毒素です。つまり遺伝毒素です。ですから疥癬の重いのをやって、オレはいいと思っていると、それから酷い浄化が起こりますが、これはそういうわけです。なによりも自分の薬毒というものは、ほとんど無限にあるように思っていればちょうどよいのです。それでその薬毒というものはどういうふうになっているかというと、血膿です。よくオデキなどになって腫れて出る血膿です。それがいっぱいあるのです。それで人間の体から血膿を除いてしまったら、骨と皮だけになってしまいます。そういう例があります。ずいぶん肥っている人が、毒が出てゆくとヒョロヒョロになってしまいますが、痩せたから薬毒がなくなってしまったかと思うとまだあるのです。本当にこれを取ってしまったら骨と皮になってしまいます。私はいつも言うのですが、人間の皮膚ぐらいありがたいものはないと思います。人間から皮膚を取ってしまったら、どのくらい汚いか分からないです。ですからずいぶん美人とかいって、ストリッパーなどは体がきれいです。また油絵などに画く人もそうです。ところがその美しさは皮膚だけの話で、中身ときたら汚いものです。それを包んでいる皮膚というものに感謝してよいと思います。少なくとも女性は大いに皮膚に感謝すべきだと思ってます。そういった薬毒が取れるに従って女はきれいになるわけです。それは化粧の必要もないです。私の所にいる女中で、一人、生まれてからまだ薬をのんだことがないというが、実にきれいです。それはどんな化粧をしたかと思うくらいです。これは立派な生きた見本ですが、そういうわけで、女が薬をのまなくなったらどんなに美人になるか分かりません。昔……一〇〇〇年以上前の女は定めしきれいだったと思います。小野小町なども、あの時分には漢方薬がそうとう入りましたが、それでもよほどきれいだったと思います。それを考えると、いまの人間は実に馬鹿です。骨を折って、金を使って化粧して、体の中は薬毒で汚くするし、外は化粧品で皮膚から染み込ませて汚くしているのです。それに気がつかないで、ますます念入りに化粧してます。化粧品が売れるわけで、新聞広告と言えば、まず売薬の広告と化粧品の広告です。いま言ったとおりのそういった間違いが、薬屋と化粧品屋に金を儲けさせているというわけです。そうして手数をかけて、金をかけて病気の種を作っているのです。だから「超愚」では追いつかないくらいで、もう一つ「超」をつけたほうがいいくらいです。つまりそれを早くなくするには浄霊よりほかにないのですが、その浄霊について書いてみました。
(御論文「日本の誇り」朗読)〔「著述篇」第一二巻一七七―一七八頁〕
▽次節に続く▽