▽前節から続く▽
それで私は、アメリカのやり方について、最近の出来事で一番感心しているのは、中共政府を承認しない点です。英国などは逸早《いちはや》く承認し、インドとか他の国も承認してますが、アメリカだけは承認しないということは、そこが良い点です。国力が充実しているためでもありますが、とにかく中共は中国を侵略して、その政府を承認するとしたら、そういった暴力による侵略を認めることになります。それを認めたら、いかにして世界平和を維持するかということになりますから、どうしても承認しないのです。またかつて日本が満州を占領したときに、他は承認したが、アメリカはどうしても承認しなかったのです。正義を貫き通すということで、そこが偉いのです。ところがアメリカの言うとおりになってしまったのです。ついに日本がやられてしまったのです。ですから今度は中共がどうしてもそれを貫こうとすれば、やっぱり失敗します。なぜといって、正義というのは神様が擁護するからです。いかにしても、結局失敗してしまいます。ですから私がいままでいろいろ闘ったり酷い目に遭ったが、正義を守って一歩も退《ひ》かないから、結局だんだん勝ってゆくのです。ところが正義というのは、一時悲惨な目に遭うから都合が悪いのです。ちょうど人間と同じで、熱冷ましをのむと一時冷めるから、一時は良いようなものです。ところが本当のことを貫くということは、最後の勝利であるということが分かるのです。
▽次節に続く▽
「『御教え集』二十八号、岡田茂吉全集講話篇第十一巻p253~254」 昭和28年11月25日