昭和二十八年十一月十六日 

十一月十六日

 よく御守護電報が来たときに見ると、熱の病気と言いますか、その苦しみというのが一番多いようです。ですから熱を取ることです。熱の原因をいま教えようと思ってますが、熱はほとんど頸のまわりが十中八、九です。頸のまわりの次が頭、腰です。背中や胸ということはめったにありません。よく肺病などで胸に熱があると言いますが、あれは胸から熱が出るのではありません。もし胸から出るなら肋間神経痛です。骨から出ることがあるが、これが肋間神経痛です。だから肺から熱が出るということは肺炎以外にありません。結核ではありません。結核の熱はたいてい頸のまわりです。それから肩のこともありますが、たいてい頸のまわりです。その頸のまわりから出る熱を、肺からと間違っているのです。それを発見するのに一番良いのは、前に坐らせてこう触れてみるのです。延髄から少し横のほうに固まりがある。こうしてみると必ずどっちかに固まりがある。そうして、こうしてみると、ここにグリグリがあります。それから人によっては顎の下にグリグリがある。ですからここ(頸部)をやると必ず熱は下がります。それからくっつけてはいけません。それで離すとくたびれるから小指をつけて、少しも力を入れないで気持ちだけを通してやると、あんがい早く熱は取れます。これが一番の急所です。それから額にいって、ここをやると取れることもありますし、頭脳の中心をこのくらい(少し)離して真ん中を狙ってやるのです。それから一尺くらい離して額の奥のほうをやるのです。そうするとたいていの熱は冷めます。それからまた胸に痛みのない場合は、まずここから熱は出ないと思って良い。それから腰から熱が出る場合がありますが、これはわけなく治ります。それだけ覚えておくと間違いなく冷めます。それでこう(御浄霊)やる場合に、力を入れると溶けが悪いから熱は冷めません。だからできるだけ力を抜くのです。そうすると割合早く熱は冷めます。頭痛などというのは早く取れます。肺病は胸から出ると思っているから、いくらやっても熱は冷めるわけがありません。見当違いだからです。それから股から熱が出る人がたくさんありますが、それは局部的でその部分だけです。全身的の場合はごく強い場合で、ふつうは全身的ということはない。頸から頭のほうは全身的になります。ですからよく御守護の電報を見ても、屁のようなことを書いてありますが、それは要するに急所を知らないためと浄霊に力が入るためです。

 それからよく祈願をするのに「大光明如来様」「明主様」と両方呼ぶ人がありますが、それは必要がありません。「明主様」だけで良いのです。大光明如来様は私の代理なのです。それを逆に考えている人がある。第一、字を書くのは私で、私が生むので、元は私にある。しかし、大光明如来様に御祈願するのは、出張所にすべてやってもらうということであたりまえです。それで出張所のほうで、どうもうまくいかんという場合には本元の製造元に、というそういうように考えれば良いわけです。

 それからこれはたいてい知っているでしょうが、いままでの宗教は全部月の神様の御守護で、メシヤ教が初めて太陽の日の神様の救いというわけです。それを分かりやすく書いてみたのです。

(御論文「太陽の救い」朗読)

〔「著述篇」第一〇巻六九〇─六九三頁〕

 それから御神書とか、未信者に新聞などを読ませますが、あれはただ書いてある意味を分からせる以外に、活字から浄霊されることになるのです。それは言霊<ことたま>の作用で、言霊が神意に合ってますと、その活字からやはり一種の光が出るのです。これは微妙なもので、私が書いた文章はそれがどんな木版でも活版でも、やはりそれを通じて光が出る。だからそれを読ませるということは、その意味を覚るばかりでなく、そういう効果があるのです。それについて書いたのです。

(御論文「活字の浄霊」朗読)〔「著述篇」第一〇巻七〇四─七〇五頁〕

 それから平和運動ですが、これはよほど考えなければなりません。この間もアジアの仏教家の偉い人たちが来て会合を開いて、平和の相談をするとか、それからまた広島でも世界のそういった平和主義の有力な人が集まって、いろんな運動方法を協議して宣言などを出したようですが、あの結果は共産主義の片棒を担ぐことになる。ですからちょうど日本の再軍備を反対する人たちと同じです。あれはみんな共産主義の援助をするという、要するにソ連の利益になるような仕事をしているのです。そこまで考えないで、ほんの上面だけでやるのです。ですから平和主義の考え方というものはよほど難しいのです。それについて書いてみました。

(御論文「平和主義を考えてみる」朗読)

〔「著述篇」第一〇巻六九九―七〇一頁〕

 これについて、最近インドでは朝鮮の休戦問題について、両者の斡旋をすべくだいぶ猛運動をしているようですが、この原因はおもしろいと思います。これについて、そこに気がついた人があるかどうか分かりませんが、とにかくアイゼンハウアーが朝鮮に来て視察をするという狙い所は、停戦協定がいつまで経ってもグズグズしてさっぱり埒<らち>があかないので、そんなことをしているうちにソ連のほうはドンドン軍備ができますし、それに対抗するとしたらアメリカもなかなかで、アメリカ人の戦死者もそうとう出るし軍備もなかなか大きなものです。それでアイゼンハウアーは、韓国軍を大いに訓練して、前線からアメリカ軍を引込ませて韓国軍を出す、というようなことを言ってましたが、そんなような具合で、停戦問題もできるだけ早く解決したいという目的なのです。それにはここで思いきった手を打とうという考えで、だいたい現地を調査するという、それが目的だった。とすると、それに対してソ連のほうで手を打たなければならない。その手を打ったのが、いま戦争をやられては、まだ準備がそれほどにできていないからして危ない。そこでアイクの政策を見通してそれに応ずる手を打ったのです。だいたい今度アイクの打つ手というのは、先にマッカーサーが立てたあの案です。私があのときにマッカーサーの案は非常に良い、だから惜しい、ということを、ここで話したことがありますが、もうそれよりほかに方法はないのです。それでアイゼンハウアーのほうの考えというのは、まず満州爆撃です。満州爆撃をすると、北鮮のほうにいる兵隊に軍器なりの補充ができなくなる。満州が肝腎なのです。そうして満州を牽制しておいて、そこで韓国軍のほうが積極的に攻撃するのです。その狙い所というのは、北鮮と満州を分離するのです。あの間に垣根を作るのです。そうすると北鮮にいる共産軍は袋の鼠とまではいかないが、連絡が絶えるのです。そうすると北鮮にいる軍隊は手を挙げざるを得なくなるのです。そうして手を挙げさせて、蒋介石のほうは軍備は充実したので、それが中国内地に進撃するのです。そうして空から大いに空中攻撃をやる。陸のほうは蒋介石の国府軍のほうが進撃して、そうして中国を元の蒋介石政権で統治させるというようにして問題は解決してしまうのです。そこまで行けばソ連のほうではどうにもしようがないのです。ただその決断がトルーマンにはなかったのです。だいたいあの人は思いきったことができない人です。というのは、それをやるには英雄でなければならない。先のルーズヴェルトというのは英雄型だったのです。それで思いきってやったからあれだけの成功を収めたのです。ところがトルーマンという人は手堅く間違いがない代わりに、そういうときに思いきってやるというものがない。それでグズグズしていたのです。それでマッカーサーがアメリカに帰ってから公表しましたが、うまいことを言いました。「だいたいトルーマンの政策で一番失敗したのは、蒋介石が中国全土を握っていたとき、中共が進撃して来てそれを食い止めることができないで中共軍に占領されたということは、アメリカが手を引いたためだ」まったくあのときのアメリカが手を引いたために、蒋介石のほうはたちまち台湾に引っ込んだのです。それが第一の原因だと言ってましたが、それはまったくそうです。それはなぜ手を引いたかというと、蒋介石の政府があまりに腐敗していた。みんな賄賂を取って、終にはアメリカから軍器を送っても、その軍器を反対に共産軍のほうに売る奴があった。これではたまらないというのでアメリカのほうは手を引いた。というのは、中共があれほど大きな目的で支那全土を侵略することはないと、トルーマンは思っていたのです。それがたいへんな間違いです。だからあのときに、そんなに腐敗していたのならアメリカの軍人の有力な者をやって、だいたい軍備とか政治というものの急所急所に配布して、そういう間違ったことのできないように監督すれば良いのです。そうしていろいろなほかの方法を採って、中共が侵略する隙のないように固めてしまえば、それでいまもって中共などがこういったように中国に覇権を握ることはできなかったのです。ですからあのときに国府軍をほったらかして、アメリカが手を引いたということが失敗の第一です。その失敗のために朝鮮問題というものが起ったのです。ですからその責任たるや、民主党のやり方は大いに間違っていたのです。そこをマッカーサーがつきましたが、やっぱりマッカーサーという人は、そういう点においては非常に勝<すぐ>れた頭を持っているのです。つまりアイクなどもやはりそういった考えです。そこでどうしてもマッカーサーの案のようなそれを実行しようというのが、今度の朝鮮行きなのです。ところがソ連のほうではいまそれをやられると、まだ軍備が充実してないので危ないというので、それを延ばさなければならない。それにはインドのネールですが、ネールは元から好意を持ってソ連にお世辞を使ってますが、あれは別にそう深いわけではない。

 手にまごつくとインドはソ連の手で侵略される憂いがあるので、御機嫌を取っておかなければ危ないというだけを考えて、お世辞を使っているのです。そこをソ連が利用して今度の提案をさせたわけです。それを中次ぎしたのはポーランドです。それで今度提案するについて七ヵ国が出席した。それにポーランドが出席しています。それからチェコですか。そういうような具合で、ああいう提案をしてずっと平和的の国を作って、というのですが、あの協議もそうとう長くかかります。そうして一つの時を稼ぐのです。ですから、どうせ円満に行くはずはない。いままで中共が延ばしに延ばしたのです。それですから停戦問題がなかなか片づかないのです。というのは、根本というものがソ連の消耗戦術です。アメリカを消耗させるには、停戦をしないでいくらでも延ばして、そして消耗させてやれという考えです。それの分かりきった話は、だいたい停戦協定がうまくいかないのは捕虜問題です。捕虜問題というのは屁みたいなものです。わずか数万の捕虜を自由意志にするとか、強制的に本国に帰すとかということは、どっちにいってもたいしたことはない。それをわざわざ強く言い、いろんなことを言って引っ繰り返している。トルーマン政府のほうはそれに引っかかったわけです。そうして釣られていたわけです。釣られながらアメリカの兵隊はそうとうの死傷者もありますし、それだけのいろいろな損害を受けているのです。ところがソ連の兵隊は一人も傷つかないのです。全部中共のほうにやらしている。算盤からいっても、ソ連のほうは食えない。アメリカのほうは人が好い。要するにじれったいのです。そこでアイクのほうは一遍にやっつけてやろうというのです。ですからこの成り行きは、そういうふうに見て行くと非常におもしろいのです。ですからそういう根本を知ってみればあんがい興味はあります。それでお話ししたわけです。そうしているうちにソ連のほうはドンドン軍備をしてますから、つまり軍備がアメリカと対抗できるまでに行けば猛然と立つのです。まだそれまでに軍備やなんかができないので時を稼ぐために引き延ばしている。そのやり方がいろんなことに現われている。それをだいたいアメリカも知ってますから、負けずに軍備をやっているのです。だからだんだん第三次戦争に向かっているわけです。その先のことはこの間私が書いてありますから、メシヤ教信者はだいたい分かるはずです。これは世界の情勢としてもっとも肝腎なことですから、いくら地上天国を造る上においても、それまでの間のいろんな波乱を知っておかなければならないのです。

「昭和二十八年十一月十六日 」 昭和28年11月16日