十月二十五日
この間京都や奈良のほうに行ってきました。それについて手に入れた嵯峨の土地ですが、今度あの辺を見ると非常に良い所でして、まあ一番良い所かもしれません。山とか、そういったものの具合がちょうど良い所なのです。それで家もあんがい立派な家で、私は手を入れなければならないかと思ったところが、そんなことは必要なくてそのままで立派に住める家なので、来年の春はそこに数日間いるつもりです。それで最初は、藪になってますからボツボツ土地の整理をします。私が住むにはちょうど適当な家なのですが、ただみんなが来たとき住むような所がないのです。ところがちょうどその前に良い売り物があって、地所が一六〇〇坪で建物が二〇〇坪くらいあるのです。そこにも行ってみたところが、間数が幾間もあって、ただどういうわけですか座敷は板の間が多いのです。そこに畳を敷けば立派に住めるのが幾間もあるのです。信者さんがそこに泊まるわけですが、実に適当なのです。庭も非常に良いのですが、藪になってますから、これを立派に手入れし掃除すると立派になります。しかも値段が馬鹿に安いのです。半分値です。それが今度京都に行く前の晩に決まったのですから、実に神様のは一日も違わないわけです。ですからそこを見に行くにも非常に張り合いがあって良かったのです。で、そこは広沢の池の釣りの権利と舟を浮かべる権利がついているのですから、釣りをやりたければ自由にできるわけですから、あそこに信者さんで釣りに来る人もないでしょうが、釣りの好きな人は来ると良いです。魚はずいぶんいるでしょう。
御伺い 養魚するようでございます。
市のほうでもあそこをなんとかという話です。市は勿論あそこを観光地とするのでしょう。メシヤ教に対してなにか言ってきましたか。
御伺い メシヤ教が買ったということは、まだ発表しておりませんので。
あそこは市と提携してやると、思いきっておもしろいものができるのです。池がそう深くなければ、真ん中に島を作ると良いのです。そうして支那式の橋をかけるとすばらしいものになると思います。池はただ水があるだけではおもしろくないのです。
そういうわけで、あっちもボツボツやりますが、しかし順序から言えば箱根から、今度は熱海ですから、熱海が主になるわけです。それで今度の美術館の「浮世絵展覧会」を見ましたが、私のほうで四点出しましたが、そのうちの三点は展覧会の圧巻でした。数はたくさんありましたが、これはという物はいくらもありません。勝れている物としたら、やっぱり私のほうで出した物のうちの三点で、これは勝れています。ですから「京都新聞」の社長と主筆、それから東京の博物館の浮世絵の主任、その人たちが非常に歓待してくれ、非常に感謝してました。それで京都の新聞にもメシヤ教に関することが出てましたが、それといい、東京の新聞にもときどき出ているものを見ても、メシヤ教に対する認識がよほど変わってきました。それはみんな知っているでしょう。ですからしてもう一息というところです。ほかの新宗教とのレベルの異いさが、まだちょっとくらいの異いです。新宗教のうちではメシヤ教となってますが、あらゆる宗教のうちでもぜんぜん頭角を抜いているというところまでにまだ行ってないのです。ただ割合にインテリの信者が多いことと、それから新宗教のうちでは一番しっかりしているというくらいの程度です。これらも非常に早いです。今度京都に行っていろいろ、体的、物質的という面もそうとうあり、霊的からいっても非常に変わってきている。昨年でしたが、しかも事件後でしたから、そういう点もありますが、二年そこそこで、まるで空気が異ってきました。そういうこともだんだん早くなりますから、もう今後一年経つとよほどの異いになってくると思います。一番の急所といいますか、これは病気です。病気はメシヤ教の浄霊……と。メシヤ教でなければ治らないという空気が出てきたら俄然として発展します。まだ時期がそこまで行ってませんから、それについていろいろやってます。今日の『東京日日』をだいたい見てきました。「宗教と病気」ということについての座談会ですが、各宗教からの医学博士が出席してましたが、メシヤ教からは岡田道一さんが出てました。それでそういう宗教と医学について、世の中が関心をもってきたということはたしかで、もう医者では駄目だ、メシヤ教の浄霊でなければ治らない、ということが社会に知れたらたいへんです。神様が良い具合にやりますが、それが一番の急所です。そういう意味において、いま私は書いてますが、『アメリカを救う』というあれはほとんどできました。アメリカは無論そうですが、日本人も大いに注目を払うだろうと思います。アメリカを救うなんて、いったいどんなことを書いてあるだろうかという好奇心が起るのです。それについて、この前の次を読ませます。
(御論文『アメリカを救う』「手術について」「浄霊医術」朗読)〔「著述篇」第二巻一九―二三頁〕
いろいろの病気がありますが、そのうちで結核が一番肝腎なことなので、つまり科学的に説いたのです。医学のほうは科学的ではないのです。医学のほうは、なんというか、機械的、推理的といったものでしょう。
(御論文『アメリカを救う』「結核」朗読)〔「著述篇」第一一巻二四―二九頁〕
これを翻訳してます。そうして英文のほうをアメリカに送るのですが、こういうふうに言ったらある程度は分かると思います。日本と異ってあっちの人はその点は分かりが良いです。どのくらい解るか分からないが、とにかく珍しい説だ、研究しようという人も出るでしょうし、反響はおもしろいと思います。さっきラジオで聞きましたが、今年のノーベル賞はストレプトマイシンを発見した米国の医学者でワクスマン博士と言ってましたが、われわれから見ると実に情けない感です。こっちはストレプトマイシンなんて、ああいうものを服<の>ませるのがいけないと言う。それがノーベル賞をもらうのですから、いかに世界的に逆になっているかが分かります。ですからこれが分かったとしても、ノーベル賞受賞は合ってないかもしれないです。なぜならばそんなチッポケなものではないからです。新しいそういったものができなければ追いつかないです。そうかといっていまはノーベル賞以上のものがないから、そんなことは考える必要もないですが……そんなようなわけで、結論はまだ仕上がってませんから、ダブッている所があるでしょうが、ちょっと読ませます。
(御論文『アメリカを救う』「結論」朗読)〔「著述篇」第二巻四〇―四二頁〕