『御垂示録』二十五号 昭和二十八年十月一日(9)

〔 質問者 〕こういうことをお伺いしてはお笑いいただくのではないかと思いますが、色につきまして。新聞に「幼稚園の子供に絵を画かせて、紫を好んで使うのは体が悪い。胸の辺りを紫で塗った者は胸部疾患が多い」ということが出てました。私の経験でも、紫という色はやさしいような感じがします。知り合いの画家で紫色を好んでいましたが、早死にをしています。霊的になにかあるのではないかとも思われますが。

【 明主様 】それは新説です。

 

〔 質問者 〕ところが明主様が御推奨の吉田博さんは、版画のほうではそうありませんが、油絵のほうでは紫色を好んで用いているようでございます。

【 明主様 】油絵のほうはその関係ではないのです。紫派と言って、そういった特種の存在として扱われているのです。画家が紫を多く使うのは、そのほうの派か、その影響を受けているのです。それで空気の色というのは紫なのです。ですから空気の濃い所をよく見ると紫色になってます。そこで弱い子は感受性が強いから、つまり神経が強いから、そこで空気の紫を、感覚が鋭いために感じるわけです。

 

〔 質問者 〕最近の画家は体が弱い、健康的の絵が少ないということをおっしゃっておられますが、吉田さんが健康かどうかは知りませんが、どうして明主様が好まれるかと思いまして。

【 明主様 】それは上手だからです。あの人の専門は版画ですが、とにかく絵が上手です。その絵を版画にして、だれにでも手の出しよいようにするという点においては、やっぱり貴重な人です。だから浮世絵展のときには一ケースは吉田さんのばかりを出したのです。あの人は非常に上手です。いまあれだけの人はいません。それで近代の新しい版画を外国でも非常に認めてきたのです。ですから吉田さんのは高く、非常に売れるそうです。いま外人は新しい版画では吉田さんの絵を一番好むそうです。アメリカなどでは吉田さんの絵はずいぶん高いそうです。風景画ではありますが、なかなか上手な所があります。私もあの人のだけは楽しめます。

「『御垂示録』二十五号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p240~241」 昭和28年10月01日