〔 質問者 〕御神前のお花を見て思いますが、この前は笹でございました。非常に水上げが立派なのでお聞きしましたところ、ただ切ったままとのことですが、私どもがやりますと、笹はたちまち駄目になりますが、どういう点が間違っているのでございましょうか。
【 明主様 】笹にもよりますが、この間のは寒竹《かんちく》です。寒竹は持つのです。それから真竹《まだけ》といって大きな葉のは持ちません。それでも二、三日は持ちます。そこで花の持つ持たないは、こういう関係です。花を切ったらすぐに水につけるのです。私は庭で切っていても、お供を連れて手桶に入れます。切ってから少しでもおくといけないのです。それから持ってきて活ける場合、パッと活けるのです。いろいろひねくっていると弱るのです。パッと切って、パッと生けると、それは持ちます。私などはあんまり持ち過ぎて困ってしまうことがあります。一〇日ぐらいたっても枯れないのです。名前は分からないが、白く斑《ふ》になった葉ですが、どこも枯れないのです。ただどこか乾燥したような感じでした。それで一〇日もたったので私も飽きてしまって、ほかの花を活けたくなったので棄てましたが、持ち過ぎるくらいなものです。それで花はできるだけいじらないようにすることで、いじったら駄目です。パッと活けるのです。そうすると持ちがよいです。
〔 質問者 〕切られたことを知らないうちに活けるというような具合でございますわけで。
【 明主様 】花は知ってます。花でも、切られれば痛いです。そうしてまたそういうように活けた花はよいです。四、五日前に紅葉を活けましたが、枝を二本切って、庭中探して一番良いのを切ったのですが、大きな花生に活けたところが、切った寸法もちょうど合っていて、とてもよいです。ですから本当によく活かったなと思うのは一分くらいです。五分となると死んでしまいます。その代わり枝を切るときに狙いをつけておいて、チョッと切ってパッと生けるのです。そうするとすばらしいものです。これは花屋ではできません。しかしいまは花屋でもなかなか良いものがあります。ですから花屋で買ったのでもよいから、適当な所から切ったらすぐに活けることで、活けるときに格好が悪いからと 直していると死んでしまいます。ですから直そうというときには止《よ》して、向きを変えるとか短くするというようにすると格好が良くなります。それを、決していろいろにひねくるということをしてはいけません。
〔 質問者 〕そのパッとやるということがなかなかのことでございますので。
【 明主様 】だからやっぱり、始終美術館を見たり、絵を見ていると、そういう頭ができてきます。やはり花で絵を画くのです。花で筆勢みたいに見せるのです。ですから私の花はだれもが褒めますが、つまり絵を画くのですから、絵心がなくては本当ではありません。絵心ということは始終絵を見ることです。ですから美術館はそういうことにも一つの効果が あるわけです。
△御講話おわり△