『御垂示録』二十五号 昭和二十八年十月一日(16)

〔 質問者 〕昨日、S中教会関係の岐阜の自然農法を見学いたしましたが、たいへんありがたいと思いました。私も五年ばかりいろいろやってみましたが、どうも結果が上がらなかったので。

【 明主様 】五年もやって結果が上がらないというのは、やり方が悪いのです。

 

〔 質問者 〕地力の養成とか苗の取り扱い方がたいへん間違っておりました。

【 明主様 】どういうように間違っていたのですか。

 

〔 質問者 〕耕土を深めにするほうが結果がよいということを知りました。

【 明主様 】耕土を深くするということは別に新しいことではありません。近衛内閣のときに、耕土を深くしろと、日本中に触れを出しているでしょう。

 

〔 質問者 〕間隔を広くして、非常に楽な植え方をしておりました。

【 明主様 】しかしそれは技術上の問題で、自然農法の根本的な問題ではありません。つまりあんまり接近すると日当たりが悪いので、間隔を離したら日当たりがよいから、ずっとよくなります。肥料はどうしてます。

 

〔 質問者 〕ぜんぜん入れておりません。

【 明主様 】最初からですか。

 

〔 質問者 〕さようでございます。藁《わら》を入れ過ぎていたようです。

【 明主様 】それです。やっぱり肥料迷信です。だから藁も入れないほうがよいのです。ただ、寒い所だけは温めるために入れるのです。あなたはどこですか。

 

〔 質問者 〕豊橋地方です。

【 明主様 】豊橋なら藁はぜんぜんいりません。あなたが一番間違っていたのは藁を入れたことです。それで私は最初
一分か二分と言ったのですが、それを五分ぐらいにした人がいるのですから、まったく頭が悪いのです。

 

〔 質問者 〕五年目よりも三年目のほうが良くできていまして。

【 明主様 】それがおかしいではないですか。五年目より三年目が良くできるということは理屈に合いません。それはやっぱり間違ったことをしているのです。

 

〔 質問者 〕やっぱりいろいろと方法を変えてきた結果ではないかと思います。

【 明主様 】とにかくこういうことは、いままであんまりやかましく言わないが、土を良くする、土の活動力を出させるということです。土の活動力というのはどうすれば出るかと言うと、連作のためなのです。だから稲でも豆でもよいから、同じ物をそこで年々作るに従って、土のほうではだんだんそれを育てるような機能が出てくるのです。ですから無肥料にしてやると、肥料が減るし、それから土のほうが活動力が旺盛になるということだから、年とともに非常に増えてゆくのがあたりまえです。しかしそうばかりではなく、そこの気候もあるのです。雨の多いときと天気の多いときと、それによってもやはりそうとうに影響するから、もしも去年よりも今年のほうが悪いときには、そういうこともあります。しかしそれが他の土地の田よりも、そういった悪い影響が少ないということはたしかです。

 

〔 質問者 〕成績が上がらないということは、過去の古い肥毒が停滞しているためでありますから、一冬耕して風化させるという方法があるのではないかと思われます。そういたしますと雨で洗われて肥毒が減り、それからはドンドン増えるようでございます。

【 明主様 】それはたしかによいです。よい参考になります。それを大いに奨励するとよいです。

 

〔 質問者 〕私のほうで、全部を天地返しをして風化させましたところ、去年は五俵半でしたが、今年が初年度ではありますが一〇俵は間違いなしのようで、初年度で八割増産でございました。ありがとうございました。

【 明主様 】それはたいしたものです。

「『御垂示録』二十五号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p247~251」 昭和28年10月01日