昭和二十八年九月十六日

九月十六日

 今度アメリカから帰ってきた立松文二という人が、あっちの病気の統計をすっかり調べて帰ってきたのですが、この間も話した通り、すばらしく病気が多いのです。で、このまま進んで行くとアメリカは亡びてしまいます。だからその原因や治し方やなにかをすっかり書いて、小冊子にして大統領とか偉い人、医学界とかに配ろうと思ってます。で、アメリカを大いに救いたいと思ってます。これから書くのですが、「序文」だけ読ませます。ところが日本では、アメリカの医学が世界で一番進歩しているというので、一所懸命まねをしようとしてますが、私の考えではおよそあべこべです。日本の当局のほうではアメリカが先生になるが、私のほうではアメリカは弟子のように思っているから、逆になるわけです。

(御論文「米国に於ける驚くべき病者の氾濫」朗読)〔「著述篇」補巻二、五一三―五一四頁〕

(寄書「米国に於ける病気状況」朗読)〔「著述篇」裾巻二、五一五―五一九頁〕

 こういう統計ですから『栄光』に出します。後は見てください。いま言った通りたいへんなものです。それが年々増えているのですから、最後を考えると恐ろしいくらいなものです。それを日本はまねしようとしているのですから、実に見てはいられないです。

 それからこの間もちょっと話した火素が増えることですが、おもしろいのは今年の温度ですが、今日もそうですが、東京よりも強羅では二度高いです。こっちが二二度で東京が二〇度かです。こんなことはいままでにないのです。たいてい東京よりも三度ないし五度低いのです。今年は東京と同じか東京より高いのです。実に不思議です。それだけ火素が増えたのです。それを書いてみたのです。

(御論文「昼の世界に転換の科学的証明」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六六五―六六六頁〕

 昼の世界になった一番初めは日蓮上人のときで、それまでの仏教は月の教えだったのです。本地垂迹<ほんちすいじゃく>といって、本地とは日本のことです。これはいつか書いた通り、仏教はお釈迦さんが「仏滅の世が来る、それからミロクの世になる」と言って、つまり月の教えは夜の教えです。これは字でみるとおもしろいが、「月」という字は下を取ると「日」になるのです。だから月の中に日が含まれているのです。これはなかなか深い意味があるのです。そういうわけで、仏教の中から日が生まれるわけです。要するに夜の世界が昼の世界になるわけです。その一番初めが日蓮上人です。日蓮上人は妙法蓮華経と唱え、かつ日蓮上人自身は「天照大御神様の生まれ変わりだ」と、こう言っていたのです。安房の清澄山で妙法蓮華経を最初に唱え始めて、それからいよいよ宣伝したということになってますが、そのときにもう日本は黎明期に入ったわけです。黎明期に入ったといったところで、霊界のごく奥です。つまり上のほうです。最奥の霊界に日が現われたわけです。それが明治になっていっそう、またその次の霊界に……霊界も一、二、三。神界、中幽界、現界と。それがまた三つに分かれているのです。天国も第一、第二、第三となっている。ですから第一天国に日が現われたのが日蓮上人のときです。それから第二、第三と……第三あたりがちょうど明治というわけです。それでおもしろいのは、日本が世界から認められた……いままでは極東の隅に隠されていたが、とにかく世界的に現われたのが、アメリカのペリーが来てからですから、結局日本を生んだのがアメリカです。ところがアメリカは星の国ですが、「星」というのは「日を生む」と書きます。これも神秘なのです。すると星が日を生むということですが、つまり月が隠れると今度は星の世界になるわけです。だから月は英国です。英国がおとろえてきて星の国米国が興ったのです。星の国が興ったときが闇の夜ですから、星が光るのです。これは実に良く出ている。英国がおとろえるのと逆に米国が光る。月が隠れるに従って星が光を増すという順序なのです。それが良く国で現われている。それで星が現われて、それから日が現われる……日本が生まれる。こういうことになる。日本がだんだん生まれていく順序は、いま言ったとおり日蓮上人……六百数十年前……六五〇年祭を数十年前にやりましたが、それから明治になってまた明るくなって、それから私の本にある昭和六年六月一五日……いま読みましたが、あんな具合に今度は中幽界が明るくなった。それからいよいよ現界に日が出るわけです。それはこれからです。そうすると現界が大変化してくる。それがつまり最後の審判なのです。それでいよいよ仏滅であり、今度は新しい文化が生まれるという順序なのです。それについて最近多賀さんの妻君に対して、いろんな霊が憑っているのです。仏界の……弘法大師が先に憑ったのですが、弘法大師だとか、役の行者だとか、臨済宗の開祖で臨済義玄とか、法相宗の開祖は、この間も言った通り奈良仏教の開祖ですが、そんなような偉い人が憑ってきて「いよいよ仏界が滅した。自分はいままで間違っていたから、明主様にお詫びしてもらいたい。そうして今度メシヤ教の仕事に働かしてもらいたい」と言うのです。これは本当なのです。まだいろいろ出てくるのですが、それによっても仏滅が良く現われている。そんなわけで、非常に近寄ってきているのです。近寄ってくるからして、これからもう少し経つとあらゆる面が変化してきます。本当に変化するのは熱海の瑞雲郷ができあがって、それから現界的になる。神仙郷はいつも言う通り霊界なのです。それで神仙郷が完成したということは、霊界に地上天国ができたわけです。今度熱海が完成すると現界にできるのですから、今度は汚いものが崩壊して、本当のミロクの世の建設が現界的に始まるわけです。で、熱海が完成するのは、だいたい再来年でしょう。すると、再来年を過ぎると、今度はすばらしい変化を起します。それは非常に近寄っているのです。これはいろいろ神秘なことがありますが、追々話していきます。それで世界の中心というものは、先にも言う通り、この神山<かみやま>なのです。これは日本の西と東の真ん中になる。それから日本は世界の型になっているのです。世界の型ということは、天国の型になっている。ですから日本は世界の天国としての小さいものです。日本は世界の公園ということを私は言いましたが、世界の公園が日本なのです。それで日本の公園が箱根なのです。すると東西文明の中心なのです。箱根は東西の中心になり、さらにその箱根の中心が神山なのです。で、神山の向こうが静岡県でこっちが神奈川県なのです。神山の山の上に、なにか建てるわけにはいきませんから、その下の強羅が神山の型になるわけです。それで私は「神山荘」と名前をつけたのです。「日光殿」も最初は「早雲寮」とつけたのですが、神山と早雲山の型になる。そうするとあの美術館は世界の真ん中の型になるわけです。この神仙郷というのは中心になるから、ここが完成すれば霊界の天国ができたのです。これが霊界で、これがだんだん拡がっていく……体的に拡がっていくと、間違っているものや汚いものは自然になくなっていく。だから破壊と建設が同時にできていくということは、そういうことです。しかしこっちで破壊していくのではない。間違っているものは自然にそうなるのです。そうするとたいへんな現界的な変化になっていくわけです。それをボツボツ書いてます。

 これは「神を見せる宗教」といって、信者は良く知っていることですが、未信者に見せたり話をする場合に、こういった説き方や順序で話をすると良く分かるから、その意味で書いたのです。

(御論文「神を見せる宗教」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六三九―六四一頁〕

 これはちょっとおもしろい論文です。

(御論文「調和の理論」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六四二―六四三頁〕

 これは美術館の美術品について、そのわけをちょっと書いたのです。

(御論文「美術品の集まる理由」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六四四―六四七頁〕

「昭和二十八年九月十六日」 昭和28年09月16日