『御垂示録』二十四号 昭和二十八年九月一日(9)

〔 質問者 〕記憶力、推理力、判断力というものは。

【 明主様 】記憶力というのは頭の中で活動するのですが、毒があると、毒のために機関が働かないから記憶力が悪いのです。しかし記憶力というのは必要なだけを記憶していればよいのです。後は忘れてしまうということがよいのです。あんまり記憶が良くて覚えていても困ることがあります。

 昔大隈公は、実に記憶がよかったのです。それである人が「私は記憶力がなくて忘れてしまうがどうしたらよいだろうか」と聞いたところが、「忘れられるというのは羨ましい、オレは忘れられないで困っている。君みたいに忘れるというのはいいではないか、オレもそうなりたいと思うが、どうも忘れなくていけない」と言ったそうですが、そういうようで、あんまり頭がよいというのは、頭がよいのはいいですが、記憶がよいのは困ることがあります。覚えていたほうがよいことと、忘れた場合がよいこととありますから。

「『御垂示録』二十四号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p209」 昭和28年09月01日