『御垂示録』二十四号 昭和二十八年九月一日(21)

〔 質問者 〕宮本武蔵が剣禅一致の境地に達し、相手を倒すでなく自分を護《まも》るでなく、無念無想というそういうことは効果がありますのでしょうか。

【 明主様 】効果があります。しかし無念無想とは違います。人間は無念無想にはなることはできません。他に言葉がないからそう言ったのです。とにかく魂の境地が高くなるからです。武蔵はだいたい沢庵和尚からヒントを得たのです。それで始終沢庵《たくあん》和尚に教えてもらってます。しかしだいたいあの人は生まれながらにして魂の位置がよかったのです。だから絵を画いても、ああいう上手《うま》い絵を画きます。それはなにごとにもそうなるので、剣でいってもああなるので、すべてがそうなのです。

「『御垂示録』二十四号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p217」 昭和28年09月01日