昭和二十八年八月十七日  

八月十七日

 メシヤ教も宗教になってから、今月でちょうど満五年目になったわけです。最初は二二年の八月でしたが、そのときは「浄化療法」……民間療法をやっていて、信者といったような者が数百人あったくらいです。こういった参拝……面会のときは二、三百人くらいしかなかったのが、今日は五年で本当に固まった信者……協力会員は一〇万できましたし、その他の準信者ともいうべきのが四、五十万くらいあるでしょうから、わずかの間に驚くべき発展をしたのです。で、信者の数ばかりでなく、こういった地上天国、美術館……そういうものもできたし、熱海のほうはいまだいたい敷地その他のものはたいてい今年いっぱいくらいでできる予定です。熱海の建築の予定はこの秋あたりからと思ってますが、そのときになれば神様がちゃんと指図されます。もう後二、三年経ったら、またすばらしいことになると思ってます。しかも順調にいったわけではないのです。宗教法人になって、そうして発足して一年余り経った翌年の秋には脱税問題で大いに打撃を受けました。その代わりそれまで、ほとんどだれも知ってなかった……その時分は「観音教団」と言ってましたが、一躍世間に知れ渡ったのです。知れ渡ったには違いないが、良い意味でなくて悪い意味で知れ渡ったのです。しかしただ知れるという意味からだと、悪い知れ方のほうがずっと早いです。良いことというのは、まことに知れないものです。良いことということに興味を持たないのです。どうも人間は悪いことのほうに興味を持つのです。だから新聞なんかでも、良いことは報道しないのですが、悪いことのほうは、輪に輪をつけて報道するのです。そうすると興味があるのです。そういうふうに人間がなっているのだから、しかたがないのです。とにかく知られるということには、大いに効果があったわけです。そうして次は一昨年……一年置いて、二五年の五月に贈収賄問題というのですが、それで大いに叩かれたのです。これは私もずいぶんいじめられました。ふつうでは、メシヤ教は駄目になってしまうのではないか、と思った人がずいぶんあっただろうと思いますが、そういうことも凌いで……その間にもちょいちょいありましたが、それにもかかわらず、こうしてすばらしい発展をしつつあるのは、つまり邪神に対して神様の力がいかに強いかということです。これは闘いです……霊的の闘いですから、邪神のほうでは実に一生懸命に力を振るっているのです。それがまた、邪神はあの手この手でいろんな……大きいこと小さいことを実にやってます。これは私でなければ分からないが、たいへんなものです。それについてざっと書いたのですが、いま読ませます。

(御論文「宗教と妨害」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六一一―六一四頁〕

 最近アメリカに行っていた信者の大学生ですが、この間帰ってきて、医学上の調査……数字もいろいろ統計的に書いてきました。日本と違ってあっちの良いことは、なんの病気は現在患者が何人いるとか、なんの病気は何年前にどういう数字があったとか、それが増えたとか減ったとか、それがちゃんと統計に出るのです。だから非常に分かり良いわけです。それによるといまアメリカで医者にかかっている人は千七、八百万人いるそうです。人口が一億五〇〇〇万人ですから一割強はお医者さんの御厄介になっているわけです。それでいろんな病気の統計をみると、年々増えているのです。減っているのはペストとかコレラとか野蛮国の病気は減ってます。それから一番多いのは胃癌、小児麻痺、結核……これらが一番多いです。その他いろいろな病気がありますが、これはいずれ『栄光』に出します。そうしてアメリカでは病気に対して非常に苦しんでいるのです。私は、いろんな病気は日本が一番多いと思ったところ、どうして、アメリカのほうが日本より多いかもしれないです。それはなにかというと、アメリカは薬が一番進歩しているからです。昔は薬はドイツが世界で一番進歩していたが、いまはアメリカが一番進歩している。こういう説になっている。つまり医学が進歩している国ほど病気が増えるのです。これは間違いないです。そうしてみるとアメリカの人をまず救わなければならない。なにしろ世界の文明をリードしているのはアメリカですから、世界を救おうとしたらアメリカを一番先に救うということが一番効果的です。私はその統計を基にして「こういう病気はこうだ」「これはこういうことだ」ということをすっかり書いて、小冊子にして、アメリカの大統領始め偉い人たちに配ろうと思ってます。それから、『栄光』も、英文『栄光』というものを作って、あっちに大いに宣伝して、読ませようと思っている。ちょうど良いあんばいに、そういったごく適任者が二、三人おりますから、いまハワイに信者も四、五十人できてまして、いま非常に発展の気勢がみえてきたのです。そんなことで、足掛かりもちょうど良い具合になっているので、そこでこっちの支社のようなものを……もっとも支部も作るつもりです。支社を作って大いにアメリカに宣伝しようと思っている。そうすると日本人よりかえって分かりが早いから、あんがい良いと思ってます。で、アメリカで一番困っているのは小児麻痺です。これは、死んだルーズヴェルトの小児麻痺は有名なものですが、今度の報告を聞くと、本当の小児麻痺ではないのです。ほとんど擬似小児麻痺です。擬似小児麻痺というのは無論薬毒ですから、それを良く解らせればあんがい早く解るのではないかと思ってます。つまり足が歩けないのです。これが一番多いのです。しかも注射がはやりますから、ますます増えるわけです。それから親の遺伝薬毒もありますし、それですからアメリカの小児麻痺というのは、浄霊しても全部治ります。なんでもないです。たいてい膝の辺りに薬毒の固まりができるのです。それから癌というのは、根本は肉食です。あれは肉食病ですから、野菜をもっと多く食べれば胃癌はなくなるのです。それらも簡単な理屈です。結核は今度の『結核信仰療法』を読ませれば良いのです。こういう意味を根拠として「あらゆる病気は薬毒だ」ということを書けば、そうとう解るだろうと思ってます。で、これは先から言っている通り、アメリカが緯で日本が経で、そこで、これを結ばなければならないという、そういった一つの根本的の仕事ですから、やはりそういった時期が来たわけです。で、アメリカが解ると日本はとても早く解ります。なにしろいまもって舶来崇拝が大いにあるのですから、どうしても逆輸入する。そうすることが一番早いです。映画の『羅生門』みたいなものです。あれだって外国でああして大騒ぎをやられたので、日本人も気がついたのです。そういう私もそうなのです。先に見たときには、たいしたものと思わなかったが、あっちで評判になったので、なんだかもう一度見たい気がして、そう思って見るとなるほど良いです。

 昨夜から今朝にかけておもしろい論文を書いたのですが、まだ仕上げをしてないから読みにくいのですが……。つまり薬というものは毒ですが、毒を薬のように思わせたのはだれかというと、神様なのです。だからちょっと意外な説なのですが、ところがこれを充分解ると根本的に分かるのです。なにしろ悪魔というのは、神様が作ったのです。こういった説き方は主神<すしん>の説き方なのです。いままでの宗教にしろなんにしろ、主神の教えでなかった。つまり善の側の神様が出て説いたのですから、悪というものをいちがいにぜんぜんいけないと排撃したのです。これは善悪両方の神様がこしらえたのです。善のほうの神様は、キリストとか釈迦を使って説かせたのです。ところが私は善悪両方の主神……その神様の計画を説くのです。そこで悪を否定するのでなくて悪を肯定しているのです。そうすると毒を薬として服ませるのはどういうわけだという、そういう意味も知らなければならない。それを書いたのです。

(御論文『文明の創造』「人類と医学」朗読)

 これはちょっと知っておく必要があると思って。

(御論文「薬毒の恐怖」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六二五―六二六頁〕

(御論文「医学関係者に警告する」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六〇六―六〇八頁〕  

 それから社会事業についてよく聞かれますから、その説明を書いてあります。

(御論文「本教と社会事業」朗読)〔「著述篇」第一〇巻六〇二―六〇五頁〕

「昭和28年8月17日」 昭和28年08月17日