教集25 昭和二十八年八月六日(4)

 それから今日は、日本も昔と違って民主主義になった。民主主義は自由主義で、束縛がなくなった。封建的が壊れたというが、封建的ということは、分かりきった話ですが、つまりなにごとも自由を押さえる、、非常に窮屈な、のんびりしないという一つの制度もあるし、仕来りもあるし、実に人民の幸福をそれだけ阻害しているわけです。そこでだんだん文明になると、人間は非常に自由を欲するということはあたりまえです。ところが、今日の自由主義ということは政治的の自由主義です。しかし政治以外に自由主義のあることにみんな気がつかないのです。そしてそれは政治の封建よりかもっと恐ろしい封建なのです。それはなにかというと健康の自由主義です。いまは健康に対する封建です。自由主義はないのです。これに気がつかないのです。ところが気がついてもどうにもならない点があるのです。そこでどうにもならないから、気がつかないというよりか、気をつけ得ないのです。たとえてみれば、ヤレ予防注射をしなければいけないと言うが、これが封建です。いやだと言っても、規則だからやらなければならないと無理に強制的にやりますが、これが健康に対する封建です。それから病気になったら医者にかからなければいけない、衛生上こうしなければいけない、こういう物を食ってはいけない、こういうようにしろ、ということを一々注意したり、半強制的にやっているわけですが、これは立派な封建です。私はその封建を破ろうとしているわけです。それで健康保険にはいらなければいけないというのです。ところがそういう封建をしなければならないようにするということは、 つまり健康を守るべき方法がないからです。またその方法と思っていることが医学であって、その医学がとんでもない間違いだから、そこで間違ったそれを間違っていないと思い込んでしまっている一つの迷妄が根本になって、そういう手数だけかけてなんにもならないような、つまり医学の封建制度というものはそれですが、そういうものを作って人間を苦しめているわけです。この点も分からせるべく、私は書いたのですが、これは『医学革命の書』の中にはいるものです。だから信者の人は知っているようなことがだいぶありますが、最後のほうにいまの意味が書いてあります。

 (御論文『医学革命の書』「健康の自由主義」朗読)〔「著述篇」第一一巻二四―二四五頁〕

▽次節に続く▽

「『御教え集』二十五号、岡田茂吉全集講話篇第十一巻p16~17」 昭和28年08月06日