この八月で宗教法人になってからちょうど満六年になります。その初めのころのことを考えると、実に想像もつかない発展をしました。その間にも、私は疥癬でちょうど半年ぐらいは寝たきりだったのです。非常に重い疥癬でして、ブラブラしていて、信者さんとの面会も約一年くらいはできませんでした。それから二三年の脱税事件とか、三年前の静岡事件とかで、暗い所にも二二日間入れられました。その前後にもいろんなことがあって、そうとう暇をつぶしたり、また精神的になにも仕事ができなかったり、なんだかんだと、そういったマイナスのときを合計しても結局一年間はなにもできなかったというわけです。加えるに新聞などのいろんなデマとか、なんだかんだの妨害はたいへんなものでした。ですから本当に活動ができたのは正味四、五年くらいなものです。しかし四、五年の間にこれだけ発展したということは、無論例はないし、私としてもあんまり予想はしてなかったのです。神様のことは予想の必要はないからですが、しかしこれほど早く発展するということは夢想だもしませんでした。まったく人間業ではないからこんなになったわけですが、反対からみたら「アレヨアレヨ」と言っている間に上のほうに上ってしまった、というような格好だろうと思います。勿論奇蹟から奇蹟で、やっているときよりも、ふりかえって見たときのほうが奇蹟の多いのには驚きます。
「『御教え集』二十五号、岡田茂吉全集講話篇第十一巻p11~12」 昭和28年08月06日