話は違いますが、このごろ信者の女の人で化粧品をだんだん使わないようになってきました。ところで化粧品中毒がいかに恐ろしいかということをちょっと話してみます。今日来ているかもしれませんが、その人は歯がグラグラするのですが、これは歯医者に行けばすっかり抜いて総入れ歯というところです。この原因はどこにあるかというと、この人は顔に始終熱があるのです。浄霊して熱をとるのですが、なかなかしっこいのです。この熱がとれるに従って歯が締まってくるのです。この熱というのが化粧品中毒です。よく昔から逆上症と言いますが、これは逆上というのですから、血が下から上るように思いますが、そうではないのです。昔は昔でオシロイをつけます。これは鉛毒と言って鉛が元になってます。これが皮膚からしみて行って、皮下の中毒になって、そこに浄化が起って熱が出て、それで顔が熱くなり、逆上せるというのです。これは男にはないので、ほとんど女です。これは昔のオシロイ中毒です。いまはクリームとかいろんな物ができて、それにいろんな新しい薬を入れるために薬毒が強くなってます。それに舶来の物は大いに薬を使います。よく新聞の広告に、アメリカではやる化粧品とか言ってますが、薬毒のあるのを知らないから、日本人はアメリカ製ならきっとよいのだろうと、ありがたがって高い金を出して使いたがりますが、ところがいまアメリカでは、女の顔が荒れるというので、たいへんな問題になっているそうです。荒れないようにと思いつつ、ますます強い薬を使って逆をやっているわけです。やっぱり肺病の薬と同じことです。ところが実際において化粧品をやめると、一時は真っ黒な渋皮みたいな顔になりますが、それを我慢すると、それは非常にきれいな顔になってきます。本当の肉色になります。それに信者は血がきれいになりますから、よけい自然の美が現われるわけです。もっともいまの人は顔ばかりでなく、体にも薬を入れるから、そのために顔が汚くなったり、色が悪くなってます。だから化粧品を使わなければならなくなるのです。そして一番顔色が悪くなるのは漢方薬です。顔の青い、艶気のない、カサカサした人に聞いてみると、必ず漢方薬をのんでます。それから女で真っ黒な顔の人は漢方薬中毒です。その点においては西洋の薬は顔色にはあまり影響しません。ただ西洋の薬は顔がカサカサになるのです。だからいまの女の顔というのは必ずカサカサしてます。滑っこくありません。そこで化粧品をすぐにやめろとは言いませんが、だんだん少なくして、ある時期に行ったら、大いに勇気を出して全廃することです。そうすると第一、この中毒が抜けると化粧したよりかきれいになります。それからあらゆることが非常にプラスになります。化粧品代はいらないし、それから時間が節約になります。特に若い人などのこれに対する時間というものはたいへんなものです。それこそ少しお酒落な人は二時間や三時間はなんでもありません。これは一種の執着です。しかし、これもはっきり話さなければ分からないが、花柳界にいた人はそういうことはなく早いです。素人に限って遅いのです。それは花柳界にいた人は営業上お座敷がかかってくるとすぐに行かなければならないので手早いのです。ところがそうでないお嬢さんとか、少しお洒落な人になるとたいへんなものです。それから外では、劇場などで便所に行って、少し長いと思っていると、手洗い所でこうやっているのです。だからそういう人に芝居などを見せても、最初の幕などはちょっと分からないでしょう。始終中途ばかりを見ていることになります。そういうようで、ただ化粧をやめると顔が汚くなるという一つの迷信があるために一生懸命にやってますが、そうではないということを教えるわけです。この中毒がすっかりとれると、前に化粧していたときよりきれいになります。それを知ったら安心して化粧迷信から逃れるようにすることです。これも一種の救いの一つです。
「『御教え集』二十四号、岡田茂吉全集講話篇第十巻」 昭和28年07月27日