それからもう一つは女の人の化粧ですが、これでいろいろなことがあるのです。第一は、化粧品つまりオシロイやクリームを止めると、半年ないし一年は真っ黒で、南洋の土人みたいになることがありますが、それを我慢して通り越すと非常にきれいになります。これはこの間のお蔭話にもありましたが、これは化粧できれいになったのと違って、透きとおってきれいなのです。それからもう一つは、近ごろの化粧品はいろんな薬毒がはいってますから、それがしみ込んで行って、顔の皮膚病が起る人がずいぶんあります。それから昔から逆上性といって、逆上せると顔が熱くなりますが、これは字で書いても逆上ですから、下から血が上るようですが、そうではないので、顔に浄化が起って熱くなるのです。これも昔からオシロイはつけており、その時分のオシロイというのは非常に鉛を使います。それでここに浄化が起って熱くなるのです。それからもう一つおもしろいのは、ある立派な中教会長で、いくらか痛みもありますが、歯がグラブラになるというので私が浄霊してやりました。それから顔が非常に熱くて熱があるのです。それから熱をとるために浄霊すると歯がだんだん締まってきました。そうすると歯のグラブラになるのは化粧品中毒なのです。実に恐ろしいものです。これは歯医者に行ったら、全部抜いて総入れ歯にしてしまうところでした。それからもっと恐ろしいのは、最近のことで、だいぶ年をとった人ですが、パーマネントをかけに行って変な薬をつけてもらったのです。もっとも近ごろは変な薬を使いますが、それが頭にしみ込んだのですが、そのしみ込んだ痛さにびっくりしたのです。それからだんだん浄化が起って、浄霊しても効かないのだそうです。それでいろんな症状が起って、霊的ではないかと、私の所に聞きに来ましたが、聞いてみるとパーマネントの中毒に違いないので、ある一定の日数がたって命に別状がなければ大丈夫だ、ということを言ってやりましたが、それから二、三日たって死にました。これも古い人です。ですから近ごろはだんだん強い薬になってきたために、とんでもないことになってきたようです。だからして化粧品をつけないということと、パーマなども薬を使わないでやってもらえばよいです。これは電気でちぢらせるだけですから、薬を使わなくてもできるのです。ただ長持ちをするというために使うのでしょう。とにかく化粧品を止めるようにすると、とてもきれいになります。少しの辛抱です。それにだいたいお化粧するのは時間がかかるために、それはたいへんな損です。それからあれはまた、夫婦喧嘩の一つの原因になります。私も経験がありますが、玄関で待っていて、いつまでたっても出てこないので、あんまり遅いからなにをしているかと見ると、鏡台にかじりついて、こうやったりああやったり、自分の気に入るまでやってます。それからどこかに行って、劇場などで便所に行って幕が開いても出てこないので行ってみると、一生懸命顔をたたいているのです。ですから女の化粧というのは一種の罪悪です。もっとも根本はつまり人工的にきれいに見せようというのですが、それを昔から女の身仕舞とかなんとか言って、女の道徳のように思ってますが、それはそういう理屈もあるけれども、実際言うとあれはごまかしで、一種の欺瞞行為です。これが顔だからよいようなものの、さもなければ、馬鹿な者が利巧に見せようとか、金のない者が金持ちに見せようというのと理屈は同じになります。だいたい女は暖かい心になることです。そこで血がきれいになれば感じが良くなりますから、ただ皮膚だけを真っ白にしたところで、それよりか感じのよいほうがかえってよいです。妙な話になりましたが、結局男でも女でも、感じがよいのが一番です。それは上面のきれいということは、芸者とかパンパンとか女郎という商売女にはよいでしょうが、始終付き合うのは感じがよいというのが厭きません。そこで芯からの美しさです。私はただきれいだけではさっぱり魅力はありません。煽てるわけではないが、やはり信者の人は実際感じがよいです。私はずいぶん不思議に思うことがありますが、公平にありのままを言うと、顔の形はあんまり感心しないのがありますが、その人から受ける感じが非常によいので、不思議なものだなと思うことがあります。そういうようで、化粧品も一つの薬毒ですから、そこで急に止めるというわけにはゆかないが、だんだん少なくして、ついには止めるという漸進的手段をとったらよいと思います。その結果は大いにプラスになると思います。現に化粧品を止めたためにきれいになってよかったと言って喜んでいる人があります。しかし薬毒を治すのと同じようで、一時的のことはしかたがありません。それがために利益するのは、いま言ったとおりたいへんなものですから、これがだんだん世の中に拡がるに従って、いろんな点に利益があると思います。こういうこともミロクの世の一つの条件かもしれません。
「『御教え集』二十四号、岡田茂吉全集講話篇第十巻」 昭和28年07月26日