昭和二十八年 七月一日 垂録22 (11)

〔 質問者 〕人工調節の場合には強い罪になりましょうか。
 

【 明主様 】そう強い罪ではないが、ある程度は罪になります。

 

〔 質問者 〕事情があり、やむを得ない場合には許されるものでございましょうか。
 

【 明主様 】やむを得ない事情というものはありません。やむを得ないということは、すでに罪を構成しているのです。人工調節という、妊娠中絶とかは殺人です。ただ殺人が小さいだけで、殺人には違いないから罪は罪です。

 
〔 質問者 〕芸術家が自分の芸を生かすために妊娠を避ける場合がありますが、これは許されるものでございましょうか。
 

【 明主様 】許されません。

 

〔 質問者 〕調節の場合でございますが。
 

【 明主様 】軽い罪です。第一祖先が非常に怒ります。罪も罪ですが、祖先は系統が絶えるということを非常に怒ります。その系統を絶やすという罪と、祖先の怒りでロクなことはありません。しかしそれは小さな罪です。中絶のほうが大きな罪です。やっぱり物質の大きさによります。

 この間チャップリンの『殺人狂時代』という映画を見ましたが、「一人を殺すと殺人罪になり、一〇〇万人を殺したら英雄になる」というようなことを言ってましたが、うまい警句だと思います。

 スターリンなどは地獄でたいへんな苦しみをしますが、ああいうのは本当の根底の国です。それで一番罪を軽くされて六〇〇年で許されるのです。だから地獄に行って改心したところで六〇〇年以上かかるのです。ヒトラーは軽いでしょうが、スターリンは重いでしょう。何千年でしょう。最高が六〇〇〇年ですから、最低三〇〇〇年くらいは地獄にいるでしょう。だから私は「愚かなる者、汝の名は英雄なり」と言うのです。英雄と言われて、わずかの間名声を博するだけで、その先の長い苦しみを知らないのです。

「『御垂示録』二十二号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p165~p166」