教集23 昭和二十八年六月十七日(4)

 それから話は違いますが、肺病に対する治し方について、これは私は前からそう思っていたのですが、やっぱり時期の関係で充分徹底して話ができなかったのですが、今度神様のほうでそのことを催促と言いますか、そういうことが分かったので話します。結核は浄霊すればしただけは毒が減ってゆきますから治りますが、ただそのために衰弱して、衰弱でまいってしまうのです。衰弱するということは食欲が減るためです。だから食欲が出るようにすればよいわけです。それにはどうすればよいかというと、根本は肩なのです。結核の人は必ず扇が固いのです。中には骨みたいに固い人があります。骨と間違えることがあります。私なども元結核をやりましたから、肩胛骨のちょっと上の所に骨か肩甲骨の続きだと思っていたが、押すと痛みがあった所をだんだん溶かしていたら、これはやっぱり薬毒の固まりです。それは非常に固いものです。だから肩を主に溶かすのです。それで肩が柔らかくなると食欲が非常に増します。私は前に「やせるのも太るのも自由自在だ」ということを書きましたが、そういうようで、肩さえ柔らかくすれば食欲はいくらでも出ます。これからは結核患者は肩の固い所を一番主にして溶かすことです。それで食欲さえそうとうにあれば結局衰弱しないから治るに決まっています。いままで気がついてはいましたが、それほど強調しなかったのです。今度はそれをもっとも強調するというわけです。ですから肩が第一、それから頸です。だいたいこの淋巴腺とか耳下腺の毒は、肩の毒が行くのです。薬毒が体の中にはいると、薬毒というものは一番最初は腎臓に行くのです。腎臓が薬毒をなくする働きをするのです。それで腎臓はある程度までで、腎臓で固まるか固まらないうちに、みんな頭を使いますから頭に上って行くのです。頭に上ってくると肩に集まるのです。これは手を使ったり、根をつめたりすると肩が凝ると言います。それが出ようとして鼻になったり痰になったりして出ようとして、これが頸のほうまで行くわけです。それで頸が凝るというわけです。ですからとにかく肩です。肩を第一にして、頸のまわりを第二にすれば、これで肺病はだいたい治ります。それでこれがまた心配したりして頭を使ったりすると、結核になってからですが、「結核だと言われた。オレはもう結核だ、どうしよう」というような心配をすると、前頭部に集まってくるのです。それを溶かすにはここ(頭の中心)をやればよいが、そうすると熱が出ます。それで体温計をやると、その反響が脇の下まで来てますから、七度五分とか八鹿とかいうことになります。ここ(脇の下)に熱があるからお医者さんは胸だと間違えるのです。肺病というのは胸の病気ではないのです。頸の病気、肩の病気、中には頭の病気と言ってもよいです。ですから頭を浄霊するとさかんに咳をし疾が出たりします。そういうようで、結核は胸に関係はあるが原因はありません。これが熱で全部溶けると、いったん肺にはいって、咳と痰が出るのです。それでここ(胸)をレントゲンで見るとそこにあるから、それでここが悪いと考えるのです。実に単純な考え方です。ですから胸の病気ではないのです。これは本に詳しく書いてあります。それから頭を溶かしますが、これが痰になるのは早いもので、間髪を入れずに肺にはいって出ます。それから股とかお腹をやると、すぐ溶けて腎臓に行きますが、この速さは一秒の何分の一という速さです。その場合には管とか筋とかは通らないのです。一遍にパッと来るのです。これは霊的に来るのです。そうしてそれが物質に変化するのですから、実に神秘なものです。どこかがちょっと痛いとすると、その痛いと感じるのは頭ですが、それは一秒の何分の一か何百万分の一か分からない速さです。痰もそうです。どこかで溶けるとパッと肺に来るのです。そして肺から出るのです。ですからこの辺の毒が痰になるのもすぐです。

 それからもう一つは息切れというものは、だいたい肋骨です。肋間神経痛と言えば痛みですが、肋間神経痛みたいなもので、肋骨に固まった膿が溶けるのです。それが息切れです。よく息切れで咽喉がヒュウヒュウすると咽喉が悪いと思ってやりますが、これは咽喉ではないのです。それは下痢しても別に肛門が悪いわけではないというようなものです。ところがよく医者のほうでは咽喉が悪いと言います。咳が出ると気管支が悪い、気管支喘息などと言いますが、それは気管支ではないのです。気管支はただ痰をつり上げるためのもので、それでゼーゼー言ったりするのです。ですから息切れというものは肋骨付近にある毒の固まりが、歩いたりすると息が切れるということは、歩くと軽い浄化作用が起りますから、ここにあるものが少し溶けるのです。溶けると肺が吸収しようとして引っ張るのです。それで息切れがするのです。ですから息切れのする場合に、押してみれば必ず痛い所がありますから、そこを浄霊するのです。そうすると息切れはずっと良くなります。これが根本です。それで一番多いのは横腹です。脇の下なども多いです。それで息切れをして、いまにも息が止まりそうなのは、ちょっと触ってみると固まりがありますから、それを溶かすとスーッと良くなります。ですから、息切れはそう心得ておかなければならないです。それから、そればかりでなく横隔膜の毒がやっぱり息切れの原因になります。これは喘息に一番多い症状です。それから息切れは腹にあるのもありますが、これはごく軽いものです。妊娠した婦人が、腹が大きくなって肩で息をすると言いますが、これはずっと楽なものです。一番息切れが起りやすくて苦しいのは肋骨付近と思っていればよいです。ですから結核というと胸をやりますが、おおよそ見当違いと思うくらいなものです。それから咽喉が悪く、咳やなにかが出ると、喉頭結核とか言いますが、これも見当違いです。ただ、咽喉が悪くても、ジフテリアは咽喉そのものが悪いのです。これだけ心得ていればよいです。ジフテリアの症状は息をするのに非常に苦しいのですが、一種の特異的症状です。子供などで息が詰まりそうな状態になりますが、これはジフテリアです。ジフテリアと百日咳だけは違いますが、その他の息切れというのは、いまお話をした意味ですから、それを知っていれば、別にたいした厄介なものではありません。いま言ったようにやれば結核はまず治ります。ただごく酷くなって、末期になった者はしようがありません。骨と皮になって、熱が高くて、もう医者は見放したというのはしようがありません。これは程度を越してしまっているのです。それでも治ると思ってやると、とんだ目に遭います。つまり、やはり肩をある程度柔らかくするまで生命が持続するというのが根本ですから、肩を柔らかくし、食欲が増すまでに間に合わなかったら、これはしようがありません。そこのところをよく見分けるようにしなければいけません。それから肩の柔らかい人はかなりのものでも治ります。しかし肩の固い人はそれほどでなくても急に悪くなって死んだりします。ですから肩の固い柔らかいということが、その人の健康をみる一番の根本です。ですから私はいつかも話したことがありますが、偉い人になったとか出世した人とかを私は昔やったことがありますが、そういう人は必ず肩が柔らかいです。肩が柔らかい人は精力があります。つまり持続性があるのです。そこで結局成功するのです。くじけないで耐久力があるのです。それは必ず肩が柔らかいのです。それからおかしな話ですが、年をとってその道において非常に精力の強い人は、みんな肩が柔らかいのです。これはずいぶんありがたい話です。

 それからいままでは結核は一週間に一回くらい浄霊をするということを言いましたが、これは取り消しにして、これからは、浄化がだんだん強くなりますから、あのことは浄化が強過ぎるから、浄化を緩めるために言った話なのです。これからは浄化を緩めるということは、だんだんできなくなりますから、今度は逆に、できるだけ浄化を促進させて積極的にきれいにするというほうがよいです。それでさっき言ったように肩を主にしてやるとともに、毎日浄霊してもよいのです。それから入信している者は、自分でも肩の浄霊をやるとよいです。できるだけそういうようにさせるようにしたほうがよいです。それで肩というのは非常に固いものですから、こっちで浄霊してやるよりか、本人が暇があれば始終やっているほうが効果があります。そういうようにしてやったほうがよいです。

「『御教え集』二十三号、岡田茂吉全集講話篇第十巻」 昭和28年06月17日