教集22 昭和二十八年六月五日(3)

 それからちょっとおもしろく書いた論文を読ませます。

(御論文「近頃の世相」朗読)〔「著述篇」第一一巻五二四-五二六頁〕

 いまの人間の頭の働きの悪いといったらたいへんです。つまり頭の活動が鈍いからして、それが挙動、行動に現われてくるのです。運転手などが敏速に避けるとか、そういうことに対することが敏感にいかないのです。それで事故を起すのです。それから火事の起る原因というのは、ちょっとした火に注意すればなんでもないのに、そこのところをウッカリしてしまうのです。それで消す所を消さないのです。山火事の原因は煙草の火ということを言われてますが、ちょっと消せばよかったものを消さないのです。それで大山火事になったりするのです。この間の北海道の大山火事は約二万町歩というものでした。それから家が建っても建っても焼けるのですが、三分の一くらいは焼けているでしょう。それで住宅難で困ると言うが、火事さえなければ住宅難ということはありません。チャンと人数だけの予定をとっているのですが、またこの予定ということがおかしいので、いま一カ年何十万戸いるから何十万戸建てれば住宅難は解消すると言ってますが、火事ということを予定に入れていないのです。だから足りないのです。東京都などでも抽籤でやってますが、一〇回ならたいてい当たるということになってますが、今度は一一回になって、それでも駄目で、これからは一二回で当たるということは、できるのよりか要求するほうが増えてくるのです。そういうようで、いろんな面に対する事故ですが、病気ばかりでなく、そういったことも大いにあるのです。それはみんな頭の働きです。その原因は後頭部、延髄にある薬毒です。いまの文化生活というものは、本当のことが分かったら滑稽なものです。それでこれは世間のことでもそうですが、私などは日常生活で、いまの人間の鈍感さには驚いてしまいます。驚くよりも困るのです。それはなんでも遅いのです。ノロマなことと頭の働きが悪いことです。へのようなことをやり損なったり遅れたりするのです。それもここの毒がなくなればそんなことはありません。私はあんまり早いので、まわりの者はまごついて困るのです。どこかに行くのにも、たいてい用意ができていると思って行ってみると、人間もいないし用意もできてないのです。それで私はまた戻って、少し昼寝をして行こうかと思うくらいです。それで後頭部の毒がなくなれば、たいていな人はそのくらいなことはできるのです。歩くにも私は速過ぎるので、若い者と歩くにも加減して歩いているのです。「どうも明主様はお速い、間に合わない」と言うから、「それは年のせいだ」と言うのです。私は早過ぎる早過ぎると言われますが、それは毒がなくなると、だれも彼もというわけにはゆかないが、たいていな人はもっと早くなります。それに頭が働くと非常に能率が上がって無駄がないから、経済的に得です。私ほどにはゆかないが、もっと敏感にはなるはずです。これはやはり薬毒のためです。信者の人などは薬毒はよほど減っていてそのくらいですから、世の中の人はいかに鈍感か分かりません。そういう人たちが自動車の運転手ですから事故が起るのはあたりまえです。その原因をいま読んだのですが、そういうような具合で浄霊は病気を治すばかりでなく、そういったことに対しても大いに効果があるわけです。

「『御教え集』二十三号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p」 昭和28年06月05日