教集21 昭和二十八年五月二十六日(3)

 それから自然農法の話ですが、『朝日新聞』で毎年米の日本一を競技的に募集してます。去年一等になった人は反当り、俵にして一五俵三斗三升二合です。この人は香川県の人ですが、そこに尋ねて行って聞いてみたところが、これはつまりスポーツ的に一年だけウンと穫ろうというので、いろんな肥料などを充分にやって、無理にそれだけの成績をあげたので、来年はガタ落ちがして、とても駄目だという話だったのです。そうしてみるとせっかく『朝日』が骨を折っても、実際上の意味はないわけです。ですからどうしても三年とか五年を平均して、たくさんとれなければ駄目です。そういう意味のことを今度の『栄光』に出しました。ところで去年の自然農法の一番は、『栄光』にも出てますが約一八俵です。これは三カ所のが混じったので正確には分からなかったが、一番よけいとれた所の田が一八俵という推定が混じっているのです。何斗何升とまでいかなかったのは、はなはだ遺憾ですが、これほど穫れるとは思わなかったから、それほど慎重にやらなかったのでしょうが、これはしかたがありません。今年は自信のある人はもっと正確に収穫をして出品したほうがよいと思います。ぜび出品してもらいたいと思います。そのことについて新聞にも出てますが、その新聞の記事を読ませます。

   (五月二一日付『朝日新聞』神奈川版掲載の記事朗読)

 もし『朝日』のほうで一等をとれば、自然栽培が一度に知れますから、非常に重要なことですから、そのつもりで自信のある人はぜひ出すようにしてください。

「『御教え集』二十二号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p251~252」 昭和28年05月26日