それから毎年『朝日新聞』で米作の日本一を募集してますが、今年は自信のある人は、ぜひ出品したほうがよいです。去年の一等は一五俵三斗三升二合でした。この人は香川県の0・Yという人ですが、そこに聞きに行ったところが、あれは硫安<りゅうあん>のような物をウンと入れたのだそうです。そうすると一年だけはとても良くできるそうです。ところが来年になるとガッタリ落ちて駄目になるそうですから、どうしても三年か五年くらい続けた平均点をとらなければ、本当の意味がないということを、今度の『栄光』に書きました。そういう一年限りのものではスポーツのようなもので、競技に勝つというだけだから実際の意味はないわけです。ところでこっちのほうの去年の自然農法での一番は、一八俵です。しかしこの一八俵は他のと混じったのです。なんでも三カ所ぐらいの水田を混ぜてやったので、そのうちの推定で一番多いのが一八俵で、平均するともっと少ない田もありますから、そこのところがちょっと正確を欠いてますが、とにかく十七、八俵はとれてます。そうすると、去年の一等を追い抜いてますから、今年は驚くべき結果が出るだろうと思います。ですから自信のある人は、ぜび出品してもらいたいと思います。これで一等になると、日本中に自然農法のすばらしいことが分かるから非常によいです。『朝日新聞』に広告が出てますから読ませます。
(五月二一日付『朝日新聞』神奈川版掲載の記事朗読)
「『御教え集』二十二号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p242」 昭和28年05月25日