教集21 昭和二十八年五月十六日(3)

 それから話は違いますが、熱海の地上天国の会館ができる晴々台の石垣の所に捨てた土がウンと溜まって、それをいま片づけるために、低い所の大きな溝みたいな所に埋めてますが、最近行ってみると、その埋めた土で、すばらしい地所<じしょ>ができてしまったのです。とにかく平らな所が一千坪以上はあります。本当言うと、土の捨て場というのがたいへんなのです。ですから土の捨て場を金を出して捨てることがあるくらいです。ですからその低い所が捨て場によかったのです。そうして立派な地所ができてしまったのですから、一石二鳥です。そこで、神様があそこにそういう地所をこしらえるということは、なにかわけがなければならないと思ったら、それは会館ができあがって椅子席が千八百くらいしかないのです。そこで会館ができてからになると信者が増えます。お祭りというときには現在ですら制限しているのですから、できるだけ制限しないでみんな参拝させたいので、そうすればたいへんな数になります。そこでまわりに立つとして結局三千くらいです。それからまわりのコンクリートの上に立っても二千くらいでしょう。あるいはもう少しかもしれないが、とにかく五、六千しか収容できないので、それではとても足りないのです。ですから一万として、あと五千くらい収容できるような場所がいるわけです。そこでいまできた地所がちょうどよいのです。ここにテントでも張って簡単な椅子でもおけば充分間に合いますから、一万は収容できます。そうするといまのところは心配はありません。私の話はマイクをつければ聞けますし、私が出張<でば>って、高い所からみなさんに面会することもできますから、人員の増える点はその地所によって解決されます。やはり神様は実に用意周到だということが分かります。ところがわざわざそういう地所を見つける心配をしなくても、気がつかずに、ただ土を捨てていって、そういうのができてしまったのですから、さすがは神様です。それにまた別な眺めがあって非常に景色がよいです。

 行って見れば分かります。ですから値打ちから言ってもたいへんなものです。算盤<そろばん>的に言っては、はなはだいやしいですが、とにかく評価としても坪五千円くらいはありますから、一千坪として五百万円になります。あるいは一千坪以上になりましょう。それが土を捨てて思いもつかないものができてしまったのですから、まったくたいへんな値打ちが浮いてしまったのです。いつもそうですが、今度の地所などには実にどうも驚いたのです。それでそこに立って見ますと、石垣がずっと長く見えて実に壮観です。石垣を見るのだけでもそうとうな見物<みもの>になります。この石垣の石もたいへんなものです。それでみんなあそこから出た物ですが、この値打ちも、新規にやるとしても一億以上になるでしょう。いま一個で、運賃やなにかを入れて二百円くらいはかかるでしょう。最初のうちで、運賃が一個二十円で、百二十円くらいでしたから、いまでは二百円くらいになっているでしょう。それがあそこから出るのですからたいへんなものです。

「『御教え集』二十二号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p236~237」 昭和28年05月17日