昭和二十八年 五月一日 垂録20 (16)

〔 質問者 〕藺草<いぐさ>でございますが、反当り一万円の肥料を入れており、裏作として米を作るそうですが、米は一俵か二俵ぐらいでございます。そういう関係で少ないのでございますが、いかがいたしましたらよろしいでしょうか。

【 明主様 】いかがもなにもありません。別々にするのです。米は米、藺草は藺草にすればよいのです。

 

〔 質問者 〕藁<わら>を切る必要はありませんでしょうか。

【 明主様 】根本的に違っているのだから、そういうことは考える必要はありません。

 

〔 質問者 〕耕土を深くしますことは。

【 明主様 】深いも浅いもないので、根本が間違っているのです。両方を一つ土に作るということが間違っているのです。だから両方とも良くできないのです。藺草と米を一緒の土に作ってはいかんということを言って聞かせればよいのです。

 藺草は無肥料でやれば太くなります。

 

〔 質問者 〕熊本のほうで無肥でいたしておりますのは、初年目でございますが、長さは短いが丈夫で、乾しあげたときに非常に目方がございます。

【 明主様 】最初は短くても、いまに長くなります。そうして太くなります。それに畳にしても非常に丈夫で倍はもちます。

 それから私は今度試してみたが、無肥料について、種にある肥毒と土にある肥毒は、土にあるほうの影響が多いです。種の肥毒のほうが早く抜けます。だから一番良いことは、やっぱり客土です。これが一番手っ取り早いです。

 私は今度チューリップを作って、土は少しも肥毒がない所で、チューリップの球根だけが、肥毒といっても、あれはオワイはあんまりないので、油カスというようなものだから薄いのです。一年目は小さかったが、今年の二年目では倍くらいになって、枝が分かれて咲いて、二輪になったのです。今度写真に撮って『栄光』に出します。いままでに二輪というのはありませんね。それが二〇〇本ばかりの中に四本出ました。

 

〔 質問者 〕この間見ましたのは、来年の花を咲かせるというので、ツボミを切っておりました。明主様のは昨年花をお楽しみになられたものでございましょうか。

【 明主様 】そうです。切って使ったのもありますが、大部分は立ち腐れのものです。それで去年の倍くらいで、色が萌えるようです。そうして枝から枝が出て花が咲いているのです。今度写真に出ますから、見れば分かります。ですから種の肥毒は一年で抜けてしまったわけです。

 

〔 質問者 〕カーネーションの温室栽培でございますが、棚に土を五寸程度においていたしておりますが、これは不自然でございましょうか。

【 明主様 】そんなことはありません。土さえ自然ならよいのです。それで土にコヤシではないが、オガ層とかいろいろ混ぜますが、それはいけません。あくまでも土だけです。ですから堆肥も、本当はやらないほうが良くできます。ただ赤土のように非常に固まりやすいのは、それを防ぐために堆肥を入れるのですが、そのうちにだんだん固まらない土になって行きますから、そうなったら堆肥は必要ありません。ですから堆肥というのは永久的なものでなく、一時的のものです。

△御講話おわり△

「『御垂示録』二十号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p113~p115」 昭和28年05月01日