〔 質問者 〕先般京都での御講演で、アメリカの機構に変化があるということをお伺いいたし帰りましたところ、信者さんが聞いてきたことで、アメリカからそうとうな人が来て、アメリカの民主主義に疑惑を抱いた人が多いという講演をしていたようでございます。また今般の選挙の模様からゆきまして、左社<社会党左派>が非常に進出し、二大政党ということが論議されておりますが、あのままでゆきますと左社が非常な勢力を得ますが、あれが本当のものでないということも思いますが、そういう点につきましてお願いいたします。
【 明主様 】しかし、左社が景気が良かったのはなんでもないのです。つまり日本の選挙権は女にもたくさんあり、男の数よりも多いのです。それで女が多く左社に投票したのです。というのは再軍備反対は左社だけで、あとは曖昧だから、そこで自分の亭主や伜<せがれ>が兵隊にとられてはたいへんだというので、それがないためには戦争がなければよいのだからして、左社に入れたのです。
〔 質問者 〕背景としてソ連、中共がすぐ隣にあるというので予想していたのもあるようでございますが。
【 明主様 】だから左社は日本を第二の中共にしようというのです。そうすれば軍備はいらないわけです。軍備というのはソ連の侵入に対する軍備で、アメリカが侵略するということはないのだから。そうすればこれは軍備の必要はありません。それで左社は日本を共産主義にして中共と同じように、少し有力な働きのある人間は殺してしまおうというわけです。だから怖いです。ところが女というものは大局を見ないで、まず自分の伜や亭主が兵隊に行かなければよい、あとはどうなろうがよい、という考えでもありませんが、ただ単純な考えで投票したのです。それがよく現われてます。そこで改進党が割に悪いのは再軍備を力強く名乗っているので振るわなかったのです。それから鳩山派も再軍備を言ってます。それから右社のほうは場合によってはしても良いと、ちょっと匂わせているのです。そこで嫌って左社ほどには行かなかったのです。それから自由党が割に良かったのは、実際にはしていながら再軍備はしないと言ってるが、そこをうまくカムフラージュしているのです。そこで自由党なら割にしないから、まあよいだろうというのでああなったのです。ですから再軍備をするしないで各政党の割合がはっきりしています。だから別に立派な理屈もなにもありません。ただそういうことが現われているのです。
〔 質問者 〕とにかく左社というのは立派ではありませんから。
【 明主様 】共産主義というのは没落するのです。
〔 質問者 〕昔から二大政党ということを言っておりますが、そこを目指しているようでございます
【 明主様 】それは何十年も前から目指してます。それで二大政党になりかかったことがありますが、それは壊れたのです。ですから、できたり壊れたりしてきたのです。二大政党というのは理想です。それで二大政党になると比例代表になります。
ところが日本は今度の選挙では人物本位ということを言っており、二大政党にはしないのです。アメリカのような二大政党なら、民主党なら民主党に、共和党なら共和党にということだから、人間はどうでもよいので、その党の人間ならよいのです。だから楽です。ところが日本では、自由党の政権が良い、改進党の政策が良いといって投票するよりか、人物本位なのです。だからいまのような国民の感情であり政党の考えでは、二大政党にはなりません。一時、比例代表ということが言われてましたが、これでは二大政党になるはずはありません。とにかく二大政党というのはいまのやり方より良いのです。アメリカの民主党に共和党、イギリスの保守党に労働党というので、アングロサクソン系だけはうまく行ってます。しかしフランスは日本と同じようにでたらめですから、内閣も次々と変わって、国家も疲弊してます。だから二大政党というのはよいのですが、日本ではどうもやらないのです。というのは、日本人というのは大局を見ないのです。日本人は小乗的国民です。それでアメリカ、イギリスは大乗的国民です。どうも日本人は大局を見ないで部分的に見ているのです。だから理性より感情が多いのです。ですから政党のことでも、すべて感情です。あいつは悪い、やっつけてやれということになるのです。今度の解散でも感情がよほど混じってます。だから自由党でも、シャクにさわるから解散してやろうとなったのです。みんな金がないから困るだろうというわけでやったのです。吉田の「馬鹿野郎」と言ったことはいけないということは、感情もいくらかありますが、純粋理論としてもいけないことです。そこでみんな金がないから困るだろうから、解散でおどかしてやろうとしてやったが、あんまり乗ってこないので、それではと解散をやったのです。しかし国家的見地から言って、解散したほうがよいか、しないほうがよいかということは、それはしないほうがよいです。そういうように自己の感じ、考えによって、大いに大局が動かされるのです。そのことからゆくと二大政党が良いです。
〔 質問者 〕京劇〔の講演〕にて、共産主義も資本主義もあべこべだということがございましたが、具体的にはどういうことでございましょうか。
【 明主様 】それは比べればあべこべでしょう。あべこべというのはどういうことですか。
〔 質問者 〕真理に外れているというので。
【 明主様 】いや、反対だからあべこべだというのです。夏と冬、夜と昼というのと同じで、それだけのことです。