教集20 昭和二十八年三月二十七日(6)

▽前節から続く▽

 今年の美術館は四月二一日に始めることになってます。これは箱根の宿屋とか電鉄が去年は六月からだったが、ぜひ一月早くしてもらいたいとしきりに頼むし、そのほかの方面でもぜひ早くしてもらいたいという声もあるので、だいぶ知れてきたようですから、一般社会も今度始まったら行って見ようという人がだいぶ多いようですから、五月から始めます。そして去年と同じ物を並べるのはおもしろくないから、ちょうど今年あたりになってから西洋の美術品が非常にはいってきたのです。それは勿論私はそういうことは考えもしなかったのですが、神様がさせようと思って、はいってくるのです。それはエジプト、ギリシア、ペルシア、インドという方面の美術品で、なかなかおもしろくて良い物もあります。それについて二、三日前に上野で「光風会」という油絵の展覧会をやってますが、この会は一番古いでしょう。私のほうに、ギリシアでできた石造りの弓を射っているのがありますが、それからエジプトの黒い壷で非常に良くておもしろいのでありますが、その二つをぜひ参考品として貸してもらいたいと、その人が三度も頼みに来たそうですから、私は承知したのです。これは日本の画家はエジプト、ギリシアの物に非常に憧がれているのです。それを一室にあてようと思ってます。それから仏に関係した物でなかなか良い物がはいったのです。それもあんまりお寺美術みたいに仏臭い物ではなく、要するに美術的の仏像という物がだいぶ集まりましたから、そういう物を出すつもりです。そういうようで去年とは面目一新した物になるだろうと思います。それから六月からは浮世絵展をやります。いままでにもほうぼうで浮世絵展がありましたが、それよりも断然上の展覧会になります。また浮世絵も非常に良い物がはいってます。これは世間からそうとうに注目されて、非常に待っている人もあります。この間博物館ですっかり見てくれて、私のほうにない物は博物館のほうで貸すそうですから、非常に充実したものになると思います。浮世絵展は六月一日から始まりますから、信者さんのほうは五月二十五、六、七日のときに先に見せるようにする予定です。それで浮世絵は日本にいる外人がだいぶ希望しているのです。この間も英国の大使館の参事官をしているブルームというアメリカ人で、そのほうではなかなかの研究家で有名な人ですが、この人がこれから大いに援助するというようなことを言ってましたが、今度はそうとう外国にも知れると思ってます。

△御講話おわり△

「『御教え集』二十号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p132~133」 昭和28年03月27日