教集20 春季大祭御教え 昭和二十八年三月二十四日(5)

▽前節から続く▽

 それから美術館は、箱根の宿屋や登山電車のほうで早くやってくれと言って頼みに来るし、それにほかの人たちも非常に希望しているために、四月二一日からやることにしました。できるだけ去年とは変えようと思ってますが、ちょうど西洋の古美術品がだいぶ手にはいったのです。これも不思議なのです。私はぜんぜんそういうことを考えていないのですが、そういう物が自然に集まってきたのです。それで私は、これは神様がこういう美術品を並べろということだと思ったのです。エジプト、ギリシア、ペルシア、インドなどの物ですが、これはなかなかない物だそうです。特に日本にはないのです。そういう物が不思議にはいってくるのです。これは神様がやられているのですからあたりまえです。しかも日本にはそういう物を陳列している所はないのです。博物館でも、どういうものかそういう物には手を出さなかったのです。いまは博物館も後悔しているようですが、博物館はどこまでも国立で、日本の美術という物を主にしてます。それからほかの美術館にしても、日本にはぜんぜんないのです。だからこれは非常におもしろいと思います。私も近ごろ興味を持ってきました。一室だけはそういう美術品にするつもりです。それから六月一日から浮世絵展をやりますが、浮世絵もまたすばらしい物が集まったのです。これも去年の美術館が終わる時分から集まったのです。これもこの前、博物館のほうで調べに来て、私のほうで不足している物は博物館のほうで貸すそうですから、ずいぶん充実してます。いままでの浮世絵展では一番だろうと思います。それにちょうど別館ができますから、別館はそれを専門に飾るつもりです。それから本館の一部も使います。社会でも箱根美術館というものを認めてきてますから、去年はだいぶ少なかったが、今年は大いに増えるだろうと期待してます。

△御講話おわり△

「『御教え集』二十号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p108~109」 昭和28年03月24日