教集20 春季大祭御教え 昭和二十八年三月二十三日(5)

▽前節から続く▽

 それから今年の美術館は去年とはだいぶ違って、今度の別館で浮世絵展をやりますが、これはみんな知っているでしょう。そのほかに外国の物で、エジプト、ギリシア、ペルシア、インド、勿論中国もですが、そういう美術品をたぶん一室全部に陳列するつもりです。そういう外国の美術品展は日本にあるにはあるが、そういう美術館式のものはないのです。不思議なことに博物館でもやらないのです。博物館はやはり日本美術を紹介するというのが主眼だそうで、外国の美術品は軽視して手を出さなかったのです。と言って、いまのところほかには勿論ありません。それですから割合隠れているのです。それは神様がやるのですから、今年になって不思議にそういう物が手にはいってくるのです。美術館の一室をいっぱいにするくらいは集まったのです。そういう物はみんなは知らないから買い手がないので安いのです。いまに高くなります。なにしろ二〇〇〇年三〇〇〇年前の物でなかなかおもしろい物があります。今度出ますから見れば分かります。ですからこれだけは日本一と、最初からいばれます。あんがい注目されるだろうと思ってます。

 浮世絵のほうも、おそらくいままでの浮世絵展としては一番だろうと思います。また実に良い物が集まったのです。これも神様がやられているのですが、割合安く、非常に奇蹟的に集まったのです。美術館も去年あたりはまだ世の中がほとんど知らなかったが、だんだん知るに従って、今年はそうとう見物に来るだろうと思ってます。博物館でもなかなか援助してくれてます。私のほうのをすっかり見て、不足している分だけは博物館の品物を貸してくれるそうです。そういうようで美術館のほうも今年はいっそう充実して、去年より見応<みごた>えがあるものができるわけです。それから別館もでき、すっかり整頓しますから気持ちが良いです。去年のようなガタガタした所がすっかりきれいになりますから、大いに楽しみにして良いと思います。

△御講話おわり△

「『御教え集』二十号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p102~103」 昭和28年03月23日