昭和二十八年三月一日 垂録18 (4)

〔 質問者 〕最近「浄霊に力を入れるな」というお言葉をいただきましていろいろ考えますが、日本人には変な癖がございまして、突貫精神という一つの迷信があり、メシヤ会館の御奉仕にしましても、今度はどうしてもぜひ頑張らなければならないと言っておりますが、本当から申しますと、反対なことでございますから。

【 明主様 】その「頑張る」という言葉がいけないのです。ですから私は昔から言うのです。特に人間は腹に力を入れなければならないと言い、武芸者などがよくそういうことを言います。ところが私はあべこべです。腹に力を入れてはいけないのです。そこで腹に力を入れないと千変万化です。武芸者にしても、腹に力を入れると、力はそっちのほうに行って、手のほうはお留守になる。だからそこに一つの覚りがあるわけです。私も前に腹に力を入れる修行をしたことがあります。「岡田式正座法」というのも、前にかなり読みましたが、最初は良くて効果がありましたが、やはり長くやっていると悪くなります。

 

〔 質問者 〕腹に力を入れておりますと腹膜にもなりますから。

【 明主様 】いつかこういうのがありました。腹が固くて浄化が起っていて痛むのです。そこで聞いてみると、禅を三〇年やったそうです。それで座禅を組むと、力は入れなくても、あれは腹を中心にするから、腹に毒が固まったのです。そのとき私は腹に力を入れるのは間違っているなと思いました。だからあべこべのことがずいぶん多いのです。おそらく間違っているほうのことが多いです。闘病生活といって「病と闘う」というのですが、そうすると病というのは敵のようになります。ところが病というのは、その人の毒をとるたいへんに結構なもので、神様の大慈悲ですが、それを敵視するということは、いかに間違っているかということが分かります。本当は病を愛する……愛病生活ということです。だから秩父宮様のときにも闘病生活十数年ということを書いていました。

 

〔 質問者 〕この間の講演会で藤枝さんが、ああいう方たちは至れり尽くせりにできるのにああなった、ということをみても、医学に失望を感じるというようなことから、本人の体験を話しておりましたが、みんな涙を流して聞いておりました。

【 明主様 】そうですね。だから浄化を起して毒をとってくれるのを、拳骨でなぐりつけて引っ込ませるのですから、どんなにしてもなおるわけがありません。

 

〔 質問者 〕だいたい秩父宮様は丈夫な方なのでございましょう……十数年もかかってやっとまいったのでございますから。

【 明主様 】それはすばらしく丈夫な人です。山の宮様といって山が好きなくらいですから……。私が登山しているときに、よく、去年秩父宮様がおいでになったと聞きましたが、そのくらい丈夫だったのです。それで、最初に結核と言われましたが、やっぱりいくらか胸に曇りがあったのでしょうが、それから薬を服み始めたのです。それが最初は膵臓に固まって、その圧迫によって糖尿病になったのです。そこにもっていって薬を服むから、左のほうがいっぱいに溜まって、それが右のほうに行って、それが胆嚢を圧迫して黄疸になったのです。それが致命症です。だから少しの薬が、だんだんやっているうちに命にかかわったのですから、結局医学の殺人です。医学によって殺したわけです。

 

〔 質問者 〕とにかく十数年間もてたということは、そうとうに丈夫だったのでございますわけで。

【 明主様 】そうです。私は、秩父宮様に限らず、人間というのは丈夫なものだと思ってます。これだけの毒を服んでいて、なお生きて働いているのですからこんなに丈夫なものはありません。むしろ馬や豚のほうが弱いです。今度も豚コレラということでその予防注射をしたら、四五頭が死に、六七五頭が発病し、さらに続発が予想される、というのですがそれは予防注射のために死んだのですが、人間ならそうは死にません。そのくらい人間は丈夫に神様はつくってあるのです。だからそういう家畜よりも、寿命にしても人間のほうがずっと長生きします。それは馬や牛の寿命でもとても人間ほどは長生きしません。それで浄霊したりしてみると、みんな実に毒があることが分かります。体の肉や血よりも毒のほうが多いくらいです。それでいて生きているのですからたいしたものです。

 

〔 質問者 〕特に最近は御浄化が強くなりましたが、自分の体は他の人より良いと思っておりましたが、あっちからもこっちからも出てまいりまして驚きます。

【 明主様 】そうなのです。疥癬を何遍もやったとか、下痢とかオデキをやって、自分はあらかた毒がなくなったと思いますが、とんでもないことで、それはほんの何分の一というわけで、まだいくらでもあるのです。ほとんど無限なくらいです。

 

〔 質問者 〕数年ならずして浄化が非常に旺盛になりますことと思いますが、そのときの世の様というのはたいへんなものと思われます。

【 明主様 】それはたいへんなものです。おまけにアメリカなどは実に薬を服むのです。それでパンなどにもビタミンAとかBというのを入れて売っているのです。それから水は水で晒粉を入れますが、それを良いと思っているのですからしようがありません。だからこの浄化が起ったらたいへんなものです。そこでアメリカなどでできる薬はだんだん毒を強めているのです。

 

〔 質問者 〕大阪の伝染病院にて、一月から二月中旬にかけてのジフテリアの患者は昨年の四倍だそうでございます。それで重症患者になると、カルテを書いている最中に呼吸困難になり大騒ぎをするそうでございます。この重症患者を調べてみますと、ジフテリアの予防注射をした者ばかりだというので、どうしてかと聞いたところが、従来 予防注射は後で副作用があり、京都でたくさん死んだことがありますが結局原因不明になっております。そこで最近アメリカから新しい処方をもらってやったために、副作用はないかわりに、すぐに再発するとか、予防注射をした者が重く、しない者が軽いということになって、なぜだろうということになっておりますそうでございます。

【 明主様 】それはあべこべの考えですから分からないわけです。副作用が起ったということは浄化が起ったのです。それはいくらか出やすくしてあったのです。それが起らなくなったということは、いっそう固まるようにしたので、それは毒が強いからです。ですからその浄化が起ったらたちまち駄目になるというわけです。つまり毒を強めただけです。本当のことはなんでもなく分かるのですが、逆の頭だから分からないのです。

 

〔 質問者 〕まるでこちらの代弁をしているようなことがずいぶん出ております。

【 明主様 】そうです。それでそれをごまかすために、ヤレ心臓の手術が成功したとかデカデカと書いてますが、それは邪神が医学を信じさせようというために出しているのです。この前も子供の白血病をなおすために輸血をしましたが、それはやり損なって死にました。

 

〔 質問者 〕その輸血料が一〇万円だそうでございます。

【 明主様 】もったいない話です。しかし実に馬鹿ばかり揃ってしまったので、神様のお手数ばかりかけてます。

 

〔 質問者 〕いまは平気で笑っておれます私どもも、最初は笑われるほうにはいっておりましたのでございますから。

【 明主様 】そうです。それでなんでも怖がって、黴菌というと、兄弟でも口をきかなかったくらいです。

「『御垂示録』十八号、岡田茂吉全集講話篇第九巻p48~53」 昭和28年03月01日