教集19 昭和二十八年二月二十六日(2) 

▽前節から続く▽

 そういうようで自然栽培というものは、ひとり日本ばかりでなく、他国の間違ったことも救うことになるのです。そういうようなわけで、今度はできるだけ早く日本を救わなければならないというので、「自然農法普及会」という会を作ろうと思っているのです。それはだいたい一村一支部という目標です。調べてみると、日本の村の数は一万いくらあるのです。その中でいろんな事情から、支部を作ってもいい村が一万はあるわけです。それでだいたい一万を目標にして、これから支部を作るべく運動をするつもりです。細かいことは教団の幹部会でいろいろ案を練って作るわけですが、支部長というのはぜんぜん信仰と関係のない人で、信者でなくていいのです。なるべく村の篤農家とか村長というような信用のある人が一番いいです。そうしてそこで毎週座談会をやるとか、指導者がいて指導するとかして、急速に日本全国を自然耕作にしてしまうということです。これは割合に早く行きます。なにしろ佐渡などの状態をみると、一〇年かからないうちに佐渡は全部自然農法になってしまいます。それで今度の報告の中にこういうのがありました。その人は一番早くからやっていて六年目です。それで六年目に、まわりの田からみると六割以上増産になってます。これは今度の「特集号」に出てますが、それは毎年だんだん増えて行って、ちょうど六年目に六割以上増産の数字が出てます。それから今年のお蔭話にはなかなか優良なのがたくさんあります。質でも、一等賞、特等賞の賞状を県の農協や知事からもらった人があります。そういうようにいよいよ安心して大々的普及宣伝をしていい時期が来たわけです。ですからこれが本当に拡まったらたいへんなものです。まず肥料代でも何百億というのですから、それがなくなると一千億以上の輸入代がいらなくなるし、そのほかに労力も軽減するし、いろいろな虫害がなくなるから、一ヵ年間何千億の得ということになります。それだけ税金が減ったら、税金地獄からもぬけられることになります。ですからこれは一つ大々的にやりたいと思ってます。病気のほうを分からせるのはなかなかたいへんですが、この自然栽培のほうはとても楽ですから、これを早くやったほうがいいと思ってます。
 農業のことはそのくらいにしておいて、ちょっとおもしろい論文を書きましたから読ませます。

 (御論文「天国的宗教と地獄的宗教」朗読)〔「著述篇」第一一巻四五一-四五五頁〕

△御講話おわり△

「『御教え集』十九号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p51~52」 昭和28年02月26日