教集19 昭和二十八年二月十七日(4) 

▽前節から続く▽

 それからもう一つは、女の人の話のついでですから話しておきますが、化粧品中毒がたいへんなものです。よく、のぼせ症といって、のぼせるのがありますが、これは男には少なく女に多いのですが、これは化粧品中毒です。昔はおしろいだけですが、おしろいには鉛がはいっているので、この鉛毒だけだったのです。ところが今日では薬を入れてます。特に舶来のおしろいには薬を入れてあります。だからいまのアメリカの婦人といったら、皮膚はザラザラで見られたものではないそうです。いま化粧品でおしろいをつける人は、それを隠すために濃厚になってきました。それから唇の色が悪いので口紅をつけるのです。昔はそういう物はなかったのです。それは唇の色が良いから、塗る必要がなかったのです。ちょっと紅をつけるくらいでした。だから婦人で汚いのはみんな薬毒のためです。だんだん薬毒がなくなったら、それはきれいになります。ですからごく薄化粧くらいでいいのです。ぜんぜん薬毒がなくなったら、化粧はしなくてもよくなります。このことを知っていればいいですが、さもなければこれからは美人というのはだんだんなくなります。だから私は、小野小町というのはたしかに美人だっただろうと思います。それはあの時分は薬毒と言っても知れたものですから……。だからいまの女の人は化粧という人工美で手数をかけて、高い化粧品を買って、懐にしても女の人の支出では化粧品がほとんど一番多いでしょう。化粧品だけでも金が出なかったら、女の懐はよほど楽になるに違いありません。だから信者になった女の人はだんだんきれいになりますが、それは薬毒がなくなるためです。そこでそれに準じてやはり化粧品もだんだん少なくするように調節すると良いです。戦争の話から化粧品の話になってしまいましたが、このくらいにしておきます。

△御講話おわり△

「『御教え集』十九号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p39」 昭和28年02月16日