教集19 昭和二十八年二月六日(1) 

 毎年『朝日新聞』で米の成績を募集してますが、今年の一番は一日の新聞に出てましたが、香川県のO・Yという人で、反当り六石三斗三升二合というのです。これは俵にすれば一五俵三斗三升二合になります。ところが救世教のほうのいままでの報告で一番多いのは、細かい数字は出ていませんが、約一八俵くらいだろうというのです。そうすると断然日本一です。無論来年は『朝日新聞』に出すように言いました。なにしろそんなに穫れるということは予想しなかったから、こういう所に出すということにならなかったわけです。そういうような具合で自然栽培は、最初から私の言うとおりにした人はすばらしい成績をあげているのです。昨夜来ただけの報告はみんな見ましたが、なにしろ薬迷信と同じように肥料迷信がしみついているので、私の言うとおりに思いきってしない人が非常に多いのです。最初はオッカナビックリ廐肥<きゅうひ>を混ぜてみたり、ほかの物を混ぜてみたりして、思いきってできないのです。それで年々減らしていって四年目にようやくぜんぜん無肥料にしたという人もあります。それも無理はありませんが、つまりそういう不徹底さでは本当の成績はあがらないのです。やっぱりたいへんな迷信にかかっているわけです。しかしだんだんほうぼうの成績を見て、最初から信ずるという人もだいぶ出てきたようです。それでもう二、三年たてば、これはたいへんな問題になります。

 それからつまり指導者の人などで、まだ徹底してない人がだいぶあるようです。説明の仕方がまだ弱いのです。これはだんことして、土を清浄にしなければいかんということを根本にして言わなければならないのです。しかし地方によっては、信者以外の人で自然栽培に切り替えるという農民などもだいぶ出てきたようですから、年々拡がって行きますが、要するに時の問題です。ですから最初はずいぶん笑われたり非難されたりしたその苦しみをこらえるのが、なかなかたいへんなような話です。ずいぶん涙ぐましいようなことを書いてありますが、それもたいして長いことはないのです。一時的のものですから、そこで迷わず屈せず、たて貫くという、しっかりした決心を腹に固めなければいけないのです。それで私は前に五割増産ということを書きましたが、あれはよほど加減して書いたのです。本当は現在でも倍くらいは大丈夫です。反一〇俵くらいの増収はなんでもありません。最初にあんまり思いきって書くと、かえって信じないのです。これで加減して、信ずる程度として五割としたのです。ですからそのつもりでやるといいです。そうして近ごろはだんだん肥料の毒、つまり肥料によって虫が湧くとか、根張りが悪い、ということがだんだんはっきりしてきました。これはやっぱり霊界の火素<かそ>が増えるということがたいへんに関係があるのです。つまり火素が増えると土自体の力が増すのです。そこで自然栽培なら良くできるということになるのです。そこで肥料は土自体の力を弱らせるからよけい駄目だということになります。米の問題はそのくらいにしておきます。

▽次節に続く▽

「『御教え集』十九号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p16~17」 昭和28年02月06日