教集19 昭和二十八年二月五日(2) 

▽前節から続く▽

 これはお米のことですが、毎年朝日新聞社で、米の多作の日本一を決めるのですが、一日の『朝日新聞』に発表がありました。今年の一番の人は香川県のO・Yという人で、六石三斗三升二合というのです。俵にすると、一五俵三斗三升二合になります。ところが、昨日自然栽培の報告が来ましたが、これは岐阜県のIという人で、約一八俵くらい穫ったというのです。これは座談会の形式で報告が来てますが、はっきりと調べてなかったのは残念です。来年はぜひ『朝日』に出品するように言いましたが、とにかく断然すばらしいものではあります。私は「五ヵ年で五割増産」ということを書きましたが、これはごく内輪<うちわ>に書いたのです。本当言うともっと増産できるのです。いまの倍はたしかです。しかしあんまりそういうことを言うと、かえって信じないですから、信じそうな程度に五割としたのです。ですから本当に肥毒がなくなると倍は穫れます。というのは、肥毒がなくなると稲に枝が出るのです。今度もそういう報告がだいぶあるようです。まあ、穂に穂が出るのです。だから枝が出るとすると、いくらでも増えるわけですからたいへんな成績になります。

 病貧争絶無の世界ですからして、病気は浄霊で必ずなおりますし、貧乏の一番の因<もと>は農民ですから、農民は肥料代がいらなくなって、たくさんできれば、いやでも貧乏はなくなります。それから争いですが、これは達者になって懐があたたかになれば、家庭の争いはなくなります。家庭の争いがなくなれば、社会の争いもなくなります。しかし国と国との戦争はまだ容易になくなりません。そこで戦争がなくなるということは、これは昔の世界と違って、いまはソ連とアメリカとの二大陣営の対立です。だからソ連とアメリカの対立がなくなってしまえば世界の戦争の心配はなくなってしまいます。いまの世界の情勢というのは、相撲なら横綱同士の取り組みです。それがすめば戦争はおしまいです。いまはそこに来てます。そこで米、ソの戦いが第三次戦争です。一日一日それに近寄っているのです。「新年号」に「世界夢物語」を出しましたが、だいたいあの線に乗って動きつつあるわけです。アイゼンハゥアーが大統領になってからいろんな手を打ち始めましたが、だいたいあの「世界夢物語」に書いたとおりの線にだんだん乗りつつあります。

▽次節に続く▽

「『御教え集』十九号、岡田茂吉全集講話篇第十巻p7~9」 昭和28年02月05日