今度の『アメリカを救う』の本で、昨日英文のほうを読んだ人の批評ですが、「ずいぶん思いきったことを書いてありますね。あれはアメリカで問題になりますよ」と言うから、「問題になればしめたもので、問題になるということをこっちは大いに希望するのです。なぜならば問題になれば売れるに決まっているし、売れればたくさんの人が読むし、外貨獲得にもなるから」といろいろ言ったのです。そこであれは急いだのも急いだし、それから売る値段や、多方面にいろいろ書いたり載せたりしたので、あんまり詳しく書いてありません。またあるアメリカ人ですが、お蔭話はもういっそう詳しく書いたのを見たいという希望もありますから、そこで今度は『医学革命の書』というのを書いてます。これはどこまでも徹底して、私がいままで言いたい書きたいと思ったことを充分に書き表わしてあります。これは救世教の『バイブル』になってもいいくらいなものです。これができれば、新しく浄霊に来た人にこれを見せれば多くの説明はいらないくらいに書いてありますから、これをすぐに発行しようと思ってます。それであの本でかなりびっくりした人が、今度はこの本で「なるほど」と思うというわけです。無論これも英文に訳してアメリカにも送ります。
それについておもしろい話でこういうのがあります。イプセンの有名な小説に『人形の家』というのがあります。これはイプセンの傑作で世界的のものですが、これをイプセンがスウェーデンで発行したときに、たいへん社会的に問題になったのです。それまでというものは婦人は、日本人とちょうど同じように夫唱婦随で亭主関白というようだったのです。ところが『人形の家』のノラが大いに自分の主張を言って、いろいろの行動が、とにかくいままで眠っていた婦人を呼び醒ますことになったのです。実際今日の婦人問題というのはそれが皮切りです。『人形の家』というのが出てから婦人問題が起ったのです。ですからたいへんな著述だったのです。そこでスウェーデンでたいへんな問題になって、攻撃する者が多かったのです。イプセンという奴はけしからんと、あんまり非難攻撃が多いので、今度は『幽霊』という小説を書いたのです。このほうはノラのように夫のやり方に憤激しないで追随するのです。結論だけを言いますと、そうしてだんだん進んでいって、いろいろなうまくいかないことが出るのです。それが拵え事のようでなく、イプセンのことですから、うまく自然に言ってあります。そうして精神病的の子供ができて、非常に悲劇を起すのです。そこでノラのように言うべきことを言って家を出たほうがいいか、そういうことをしないで夫の言うとおりに素直に家についていたほうがいいか、結論においてどっちがいいかということを批判的に出したのです。ところがやはりノラの行動のほうがよかった。あれが本当だというわけで、その『幽霊』が出てから、その世論というのはピタッと収まって、やっぱり『人形の家』はいい、イプセンは偉いということになったのです。そういう話があります。私はそれをまねするわけではなし、それとはよほど違う点がありますが、「あれはずいぶん酷いことを思いきって言っている、本当にこうだろうか、本当にこうならたいへんだ」というような、一つの疑惑が起ります。というのは、あれはまだ徹底して書いてないからです。そこでどうしても、あれをもういっそう徹底して詳しく、こういうわけだということを今度の本に書きます。これはいろんな例をあげて、いろいろな方面から、医学というのは「どうしても、とんでもないものだ」と思わせるように書きます。それから浄霊についても、神様はどうしてこういうことを始めたかということから、どうしてなおるかということを理論科学的に書きます。これを見れば「いまの医学というのは科学ではない、科学よりもっと浅いものだ」というように思わせるように書いてあります。ですからこれこそ医学と浄霊に対する決定版です。その最初のできただけをいま読ませます。
(御論文『医学革命の書』「序文」朗読)〔「著述篇」第一一巻一七八l一八一頁〕
(御論文『医学革命の書』「医学は迷信なり」「病気とは何ぞや」朗読)
△御講話おわり△