▽前節から続く▽
それについて霊的でなく体的のことのだいたいを話してみると、一番は熱海のメシヤ会館がいよいよ来月か再来月あたりから建築に取りかかるわけですが、いま基礎工事をやってます。会館の模型を造りましたが、ずいぶん荘厳な形になると思ってます。いつも言うとおり、これはフランスのル・コルビュジェという人が始めた建築様式で、今日では世界的に一つの建築様式として風靡したような形です。けれども直線的のごく単純なやり方で、アパート、官庁、会社といったような、つまり実用向きの様式になってます。それで宗教的にはいままでぜんぜん手を触れていません。いままでの宗教建築といえば、これはキリスト教でも仏教でも神道でもそうですが、何百何千年前の様式と同じ形をとっているのです。築地の本願寺も鉄筋でやり方はずいぶん近代的ですが、あの形はインドの古い形式をとったものです。これはお釈迦様を祀るのだからあたりまえでしょう。本尊様が古い時代ですから……。しかし救世教は本尊様が新しいのだから建築も新しいというので、これもあたりまえかもしれません。ですからごく新しい様式での、この宗教建築というものはまだ世界にありません。コルビュジェという人はこの春なにかの嘱託で日本に来ることになってます。そして二年いる予定だということが新聞に出てましたが、会館を大いに見せて批評してもらおうと思ってます。そういうようなわけで形は非常に新しいのです。それでそういった直線的の建築で荘厳味を出そうというのですから、ちょっと無理なようですが、できたらわりあいに荘厳味が出るつもりです。それで入口から内部とすべて新しくしました。内部は劇場的になってはいけないと思って大いに注意しましたが、そうとう成功すると思ってます。それから展望台はメシヤ会館と一緒にできるはずです。これはガラスの丸い家ですが、もう少したったら模型もこしらえて出します。これも世界にはないと思います。ガラスの展望台式の家はアメリカにもあって、私は写真で見たことがありますがぜんぜん違います。ですから私が今度やるのは世界に例がありません。そういうようにすべて新しい物を造るということは、いつも言うとおり熱海は現界の型になります。従って新しい世界の型になるのです。それで熱海にできるとそれが世界に写りますから、そこで世界も非常に変わってきます。
▽次節に続く▽