昭和二十七年六月一日 垂録10 (5)

〔 質問者 〕招待するのもだいぶ多くなっております。

【 明主様 】ですから一、二、三と別けて、三の人は優待券。それから案内状ですね。それで郵便だけで、それでいいと思います。

 

〔 質問者 〕いつごろからで。

【 明主様 】七月六日が日曜ですから、その次の日曜の一三日ですね。その二日あたりでいいでしょう。そのほうが来る人もいいでしょう。それから場合によったら六月二九日の日曜ね。それも一日出してもいいだろうと思う。呼ぶ人がすっかり決まってから、日曜を二回ないし三回ですね。そう思っている。「東洋美術協会」の会員だけでいいじゃないかと思う。いまに知れてくれば、評判になって、こずにはいられないですよ。中にはいくども来る人があるでしょう。とても一遍や二遍では見きれないですからね。本当に好きな人だったら、一室見るだけで半日くらいかかりますね。一品でも、ただのものはないですからね。なにか文句言うようなものばかりですからね。

 

〔 質問者 〕東洋美術(協会)に並んでいる品物は、みんな良いものばかりでございますか。

【 明主様 】いや、そうでもないです。ただ、なにか品物を売りたいという人があっても、知っている道具屋がないでしょう。そうかといってつまらない道具屋じゃ駄目だから……銀座にあのくらいの店を張っていれば安心だから、あそこに持っていくんですよ。だからときどきすばらしい物があるんですよ。私はそういう物だけを買ってますがね。この連中だけはひとまとめにして招ぼうと思う。

 東洋美術協会役員というのが来ているんです。私が読みましょう。それで説明をします。

 会長武者小路実篤、これはみんな知ってますね。副会長北昤吉、多摩美術学校長ですね。

 団伊能というのは参議院議員で、団琢磨の息子ですね。それから東京大学名誉教授藤懸静也、この人は浮世絵では権威です。日本で一番でしょう……浮世絵ではね。それから橋本凝胤、薬師寺の管長です。衆議院議員星島二郎。国立国会図書館長金森徳次郎。加納久朗。東宝社長小林一三。衆議院議員三木武夫。私がメシヤ教主、箱根美術館長としてある。大倉集古館長大倉喜七郎。法隆寺管長佐伯良謙。元フランス大使沢田廉三。衆議院議員高瀬荘太郎。評論家徳富蘇峰。

 評議員、読売新聞社顧問馬場恒吾。日本放送協会長古垣鉄郎。美術研究家原田治郎。平櫛田中……彫刻家ですがね。この人のも出ます。芸術院会員板谷波山、この人のも二、三出ます。芸術院会員香取秀真、これは鉄の細工では日本一ですね。松田権六、これは蒔絵師では日本で一番です。中村勝馬。中島久万吉。元奈良美術院長新納忠之介。尾上柴舟、これは書家で……歌ですね。ああいったうちの書では日本一ですよ。それは上手いものですよ。あの人だけですね。平安朝時代の歌読みくらいにどうやら書けるのはね。歌も上手いですね。私は一番好きです。新しい人ではね。尾崎洵盛、これは元男爵だったんですが、支那陶器では日本一ですね。これはこっちの顧問にするつもりだった。鈴木一。遠山孝。梅原竜三郎、昨日かヨーロッパに行きましたが、この人は油絵では一番です。いま、日本で油絵といえばこの人だけですよ。この人は美術館に二つくらいだけ出そうと思ってます。この人のは世間でも第一人者としてますね。この人の油絵は良いです。というのは、この人は骨董が馬鹿に好きなんです。それで買うでしょう。金がないでしょう。それから油絵を画き始めるんです。

 

〔 質問者 〕いまどのくらいいたしますので。

【 明主様 】家にあるちょっと大きいので三五万円ですね。ちょっとしたので二、三十万円ですね。飛ぶように売れるんです。どうも、骨董類を好きな芸術家というのはよくあるんですが、とにかく作家で一番好きなのは吉川英治ですが、古い時代から……二、三十年前から集めてますね。それから大仏次郎、川端康成、まだちょいちょいありますがね。とにかくああいった有名になる人はみんな好きです。女では吉屋信子ですね。ああいうのを好きな人は霊が高いという意味もあるし、ああいうのが好きな人は霊が高くなるという意味もありますね。なにしろ昔から、ああいうものを好きな人は偉い人になりますね。そのうちの一番偉いのは秀吉ですが、非常に好きなんですからね。若い時分に戦で駆けまわっていた時分から好きで集めていたんですね。

 それから安田靫彦、これはだれでも知っている。評論家阿部賢一。美術研究家榎本明三、これは日比谷公園の「美松」をやっている人ですね。カフェーの大きいのもやっている。これも好きなんですよ。井上恒一、東京の芝にある「晩翠軒」の主人ですが、支那陶器ではたいしたものです。昔から良い物を集めてます。私が気に入った物があって買おうと思っても、なかなか売らないんですよ。これは良い物がありますね。鎌倉芳太郎。日東紡績株式会社長片倉三平、この人も好きですよ。なかなか良い物を持ってます。片倉製糸の社長です。産業経済新聞社長前田久吉。これは先に中外新聞社長をやっていた人ですね。繭山順吉、これは支那陶器の……私のほうに始終来る人ですがね。太田貞造、これもなかなか有名ですね。佐野隆一。菅原通済、この人は好きなんですよ。なかなか買いますね。良いものを持っていますね。
 そんな連中ですがね。まだ細川護立、高橋誠一郎、浅野長武……みんな入ってますが、名前を出してくれない。そうすると仕事が非常にあるので、暇をさくわけにいかないというので、蔭の会員です。

 

〔 質問者 〕信者のときに浅野さんだけ別に連れてきても……一五日が日曜日ですので。

【 明主様 】それはいいです。けれども一五日はうんと来るから他の日がいいですね。私も会いたいからね。ところが日曜は博物館は休みじゃないですよ。月曜ですよ。一五日だけは肝腎な日だからね。その他の日がいいですよ。その次の月曜だっていいですよ。日が延びるほどこっちは整頓するからね。

 

〔 質問者 〕ではそういうふうに。

【 明主様 】そのほうがいいですね。二三日ですね。たしか博物館の休みは月曜でしたよ。なんだか……美術館ができかかっていると、ふつうの話のほうは変てこになっちゃったが、なにか聞くことはありますか。

「『御垂示録』十号,講話篇第六巻」 昭和27年06月01日