昭和二十七年四月二十日 『御教え集』八号(7)

三月一七日

御伺い T・R(三三歳)。昨日午後一時突然痙攣を起し、顔面は紫色で浮腫んでまいり、二時間ほど痙攣を続け、三時間ほどは静かになりましたが、それより一〇分おきに二、三分の痙攣を午前一時まで続け、それより今朝まで痙攣はなく昏睡状態を続け、頭部の熱は平熱となり、顔面の浮腫みは引きふつうの色となり、ときどき頭を上げ起きようといたしている状態でございます。御浄霊の箇所御垂示のほどお願い申し上げます。

御垂示 頭の上のほうですね。前頭部で良いんです。これは霊ですからね。で、善言讃詞、御讃歌なんかを始終読んでやると良いです。聞かしてやるんですね。

御伺い 霊が憑ります場合には、冷たくなると思っておりましたが、熱くございましたのですが。

御垂示 熱いのが本当なんです。背中は冷たくなりますが、ここ(前頭部)は熱くなるのが本当なんです。

御伺い M・Y(四四歳)、四男T(四歳)。昭和二五年春ごろより、首と手足を瞬間的に収縮させ、癲癇のような状態が毎日一、二回発作的に起り、御浄霊はいたしておりますが、八月一三日には手足を硬直させ、目をむき仮死の状態となり、祝詞と御浄霊で御守護いただき、二カ月余り続きました。二六年一月ごろより発作も軽減いたしました。現在一人歩きはできませんが、這い歩き、泣きます。言葉は言えません。智能は生後三カ月、動作は八カ月くらいで睡眠は一日五、六時間でございます。大光明如来様、御屏風観音様は御奉斎させていただき、二階を教会としてお使いいただいております。父は腎臓炎と心臓麻痺で、母は家庭の不和から鉄道自殺、長男は肺炎、次男は腸炎にて、それぞれ死亡いたしております。また店の者が蛇を殺したことがあり、入信後自己判断で処分いたしております。後妻も腎臓炎で死亡。三男は死の直前にお道に救われました。このとき仏壇の繰位牌を改めました。これらと特に関係がございましょうか。御教示お願い申し上げます。

御垂示 この家はいろんな罪穢があるんです。ですから、一々なにがなんだと言うことは面倒ですから……必要もないですし……一生懸命に信仰して人を救えば、それだけずつ罪が減っていきますから、万事が良くなっていくというわけです。そういう考えになっていれば、たいへん結構ですよ。霊体、罪……いろいろありますよ。

御伺い K・M(二一歳)。二三年一〇月癲癇のような発作を起し、顔面引きつり、全身硬直し意識不明となり、注射二本いたしました。二六年三月腹痛を起し、雪の下(薬草)をもんで服み、腹痛は止みましたが、翌日より精神異常となり、泣き笑い、夜も歩きまわりますので、注射二本し精神病院に入れましたが、ふつうの状態に戻り一カ月で退院いたしました。最初の発作以前より月経不順でホルモン注射を二〇日間いたし、退院後も薬を服み、発作は遠退きましたが、智能はしだいに鈍り、仕事もできずブラブラといたしておりました。二六年九月より御浄霊をいただき、三日目より癲癇症状の発作が激しく、一晩に数回連続的に数日続き、そのときも精神病のごとくなりました。二三日に入信させていただき、一一月御屏風観音様を御奉斎させていただきました。二月には手がつけられなくなり、注射二本いたして止めました。二二年ごろよりイボ状の吹き出物が出、化膿はいたしませんが、身体のあちらこちらに出ており、背中の左に碗を伏せたくらいのがございます。祖父は中風、祖母は心臓狭心症にて死亡、父も左半身不随で御浄霊をいただいております。御神体はまだ御奉斎させていただいておりません。霊的原因および御浄霊の急所につき御垂示お願い申し上げます。

御垂示 癲癇から精神病ですね。これは霊ですよ。よほど救われない霊が、ここの家にいるんですよ。それから、癲癇ですね……癲癇があとで精神病になったんですが、これも同じものです。つまり一時的の精神病が癲癇なんだから、それで医者がいろんなことをして、癲癇が一時減ります。それで、浄霊受けると非常に増えるものです。それを間違えないようにしなければならない。癲癇が、だんだん増えて治るんですからね。医者が熱冷ましをやってますが、一時熱が冷めます。ところが熱冷ましを止めて、浄霊すると一時馬鹿に熱が出ますが、それと同じ意味なんです。だからそれを前もって言っておくと良いです……癲癇はね。そうして、その霊も救わなければいけないんだから、光明如来様をお祀りしなければ駄目ですよ。絶対に治りません。お祀りして、その部屋に本人を寝かせるようにする。そうして、憑いている霊を救うんです。それで、変死とかあるいは家出して行方不明になったとか調べて、そういうのがあったら、さっそく祀ってやるようにするんですね。そういうのがありますよ。浄霊は、やはり前頭部の中です。ここに霊がいくと癲癇を起すんですね。ここに憑るということは頭に曇りがあるからです。それで、頸のまわりを浄霊すれば良いです。その代わり非常に長くかかります……治るのはね。良く御神書を読ませ、話を聞かせ、気長にやれば必ず治ります。ふつうに……正気に……まあ、安心というような状態になるには四、五年かかりますからね。そのつもりでね。

御伺い F・A(四五歳)。昨年一〇月乳癌で御垂示いただき「たいへん熱心だから結構ですね。今年いっぱいくらいでだいたい良くなるでしょう」とお言葉をいただいております。その後熱と下痢の御浄化にて、衰弱と息苦しさのために床に就いております。御浄霊はいただいておりますが、ますます衰弱の度が加わり、左肩甲骨より左腕全体が固く浮腫み、御浄霊いただきますと、たまらなく痛みます。しかし後は楽にさせていただきますが、間もなく同様のことを繰り返します。心臓は常に圧迫されるような息苦しさがございますが、局部の前後の御浄霊で楽になります。動きますと腕も心臓も苦しく、痛みます。右乳上にも大豆くらいの固まりが二〇ほど一固まりとなり、後ふつうのオデキのようになり、御霊紙は堅く貼りついて取れません。右脇下にも親指で押したくらいの傷口ができ、少量の膿汁が出ております。左傷口は少なく浅くなり、膿汁の量も多少少なくなり、食欲は一杯くらいでございます。大光明如来様は二階の屋根が低いために七、八月ごろに家を建てましてよりお祀りさせていただきたいと思っております。今後いかような経過を取るものでございましょう。

御垂示 御霊紙は貼りっ放しで良いんですよ。治らないうちは取れませんからね。ですから取り替える必要はないです。薬のように思うから取り替えるんですが、そうではない。貼りっきりでね。治れば自然に取れるんですからね。これは、知らないからですね、これは、乳癌と言うが、癌じゃありませんよ。これは、手術しないんでしょうね。

御伺い いたしておりません。

御垂示 これは癌じゃありません。ふつうのオデキですよ。こんなものは、そんなに治り悪いものじゃないんですがね。浄霊はいつからですか。

御伺い 二月ごろからでございます。

御垂示 膿が……結構じゃないですか。

御伺い 最近衰弱が増しております。

御垂示 食欲が少ないからね。熱があるんでしょう。

御伺い ときどきございます。

御垂示 食欲がないのは熱のためですね。お乳の熱と腕とは非常に関係があるんですよ。だれが浄霊しているんですか。

御伺い 私(H・E)がさせていただいております。

御垂示 あなたはいつごろ入信したんですか。

御伺い 一九年でございます。中教師一位の御資格をいただいております。

御垂示 だいぶ古いんだな。力が入るんじゃないかな。

御伺い 一生懸命に抜かせていたしております。

御垂示 抜いても、霊が向こうに通らなければならないんだからね。ただ、こう(御浄霊)やっているだけではいけない。力を入れないで、しかも霊が向こうに通らなければならない。難しいんでね。いま穴があいている所があるでしょう。

御伺い 左の脇下にございます。乳首が取れまして。

御垂示 まだできないですか。それは、治るとできますがね。ここ(頸部淋巴腺)はやってますか。

御伺い やらせていただきました。

御垂示 とにかく非常に毒があるんですよ。薬毒がね。それで、癌というのはそう痛まないんですよ。強く痛むのは、決して癌じゃない。消毒薬が一番痛む。消毒薬中毒がね。それが原因です。消毒薬というのは、しつこいものですよ。根良くやって、膿が出て行くずつ治るんですが……結局は治るんですが、ただ衰弱を増さないようにね。

御伺い 顔色はよろしいのですが、皮膚の色が悪いのでございます。

御垂示 貧血しているためじゃないかな。貧血のためです。食事が少ないためにね。背中のほうは。

御伺い 肩甲骨の後ろに。

御垂示 押して痛いんですか。肩甲骨のほうにかけてね。消毒薬に違いないな。背中のほうも充分浄霊しなければいけない。背中のほうが溶けて、こっちの穴のほうに膿がいきますから、背中をやるんだな。人間というのは仰向けに寝るから、どうしても背中に固まる理屈になるからね。そうして根気良くやるよりしようがないな。食物は。

御伺い ふつうのものを半膳ほどお茶をかけまして。

御垂示 お茶かけても、なんでも良いから、量をできるだけ多くするんですね。特に変わったものじゃないですね。ふつうのものですね。

御伺い 甘味類は好きでございます。

御垂示 ふだんからですか。

御伺い さようでございます。

御垂示 どうも、身体の悪い人は甘いものを好かないですね。だから、病人でも治るようになると、甘いものを食べるようになる。これは覚えておくと良いが、病人というのはスッパイものが好きでね。で、良くなると甘いものが好きになる。いま言ったように、衰弱を増さないようにしなさい。お茶漬はごく良いですよ。それから噛み方はふつうの噛み方ですか。

御伺い さようでございます。

御垂示 長い間噛むといけませんよ。食欲が減ります。食欲を増すには、生噛みに限る。飲み込むようにすると、それは腹が減るからね。

御伺い 一〇日ほど前に、横隔膜のほうが脹り、坐れないようになりましたが、御浄霊で治りました。これは、背中の膿の関係でございましょうか。

御垂示 溶けてきて、そこに固まったんです。

御教え 『結核信仰療法』の続きを読ませます。

(御論文「栄養」朗読)〔「著述篇」第一〇巻七四―七七頁〕

 最近米国で、結核に良く効くという薬ができたと言う……だいぶ評判にもなってますが、まだ疑わしい点もあるなんて説もあります。とにかくそれを書いてあるんです。

 (御論文「結核新薬を嗤う」朗読)〔「著述篇」第一〇巻四四四―四四六頁〕

 いま読んだ通り黴菌というものは馬鹿馬鹿しいもので、黴菌を湧かないようにしようと言うんじゃないですからね……いまのはね。湧いたものを殺すようにしているんです。文化というのは、みんなそうなっているんです。罪人……犯罪者が起る根本を無視して、起る犯罪を防ごうとしているんですね。ところが犯罪というのは結果なんで、犯罪をしようという人間の魂が根本なんだから、そこに気がつかないで、結果である犯罪をなくそう、なくそうとしている。いまの黴菌と同じですよ。それで、私はいま「○ヽの文化」というのを書いている。丸にチョンですね。いままでチョンがなかった。チョンを知らなかった。それで丸ばかりを一生懸命に良くしようとしているんですね。だからあらゆるものがそうですね。いままでの宗教でも、だいたいそうなっている。肝腎なそれが分からない。分からないということは、肝腎なことを神様が知らしてないんです。それは経綸上知らしてはいけないから、知らしてないんですね。従って力というものもなかったわけですね。力というものは、いつも言う通り霊体が、つまり経緯ですね。経緯が結ぶんですね。するとこの真ん中から力というものが出るんです。真ん中の力が主ですからね。この真ん中の主の力というものは、これもいつも言う伊都能売ですね。伊都能売になるとその力が出る、それが観音力というものですがね。結局、ですから力なんです。私はその力を神様からもらっているわけですね。こう(御浄霊)して病気が治るということも、その力の現われです。いままではその力が出なかったから本当に救われなかったんですね。そこで、こういう地獄のような世界になっているんです。

 ところが力というものは、丸が九分九厘とすると、真ん中の力が一厘ですからね。それで、悪のほうの力が九分九厘あるから、そこでどうしてもやっつけられた。真ん中の力というのが蔭に隠れていた。直接に現われなかったから、どうしても表面的には悪のほうが勝っちゃったんですね。悪のほうが勝ったというのは、いまの医学のほうですね。あれは、医学のそういう間違ったことは、やはり必要があったんです。これが大乗的見方ですが、だいたい薬というものは、あれは毒ですね。毒をなぜ薬といって、人間にあれを服ましたり使ったりするかというと、必要があったんです。あれによって人間を弱らせなければいけなかった。そこで観音様は薬師如来となって薬を奨めたんです。そこで、人間を弱らせれば文化が発達するんです。人間が、原始時代から健康が続いていると、物質文明というのは発達しなかった。ですから、つまり野蛮人ですね。野蛮人は非常に健康なんです。健康だと満足しちゃうんです。進歩性がなくなる。というのは一番解りやすく言うと、身体が弱りますね。歩くのがつらい。じゃ、坐って遠くに行けるような物をこしらえるというようになる。いま自動車が発達したり、飛行機が発達したりするのは、結局人間が不精になったから、物事が億劫だからです。早く寝てしまうのはつまらないから夜まで起きていたいから、というので電灯なんかを発明するね。弱って不精になるので、発見発明があるんです。便利にしたり、組織を良くしたりする。それからいろんな理屈を覚えたりするのは、結局そういうためです。文化を発達させるためにです。文化を作るために人間を弱らせた。それは薬でなければ弱らせられないからね。薬で、人間を弱らせるのに、神様が人間を瞞したりね。しかし、それが瞞しておくと、だんだん弱ってきちゃうんです。その弱ってきたのはイギリス、フランスを見ると解ります。近来意気地がないですね。みんな、中央アジアにある植民地もだんだん離れて、仏印も結局離れます。仏印からビルマですね。あの地方はぜんぜんフランスの勢力がなくなったからね。そこでホーチミン軍に攻められて、一生懸命に維持しょうとして、うんと金使ったんですね。たいへんなものですよ。うんと金を使ったために、貧乏になった。そこにアメリカからヨーロッパ統一軍を作るんで、ヤンヤ言われるんで、なるほどソ連のほうも危ないから、軍備をある程度しなければならないが、金がない。それがフランスの政変ですよ。総理大臣ができてもできてもすぐに駄目になっちゃう。今度三度目の、変な名前のあれも怪しいものです。結局因の因はフランスの国民が弱ったからです。活動力がなくなったからです。イギリスとくると、もっとひどい。イギリスは戦勝国……勝った国ですが、かえって日本、ドイツのほうがありますね。老人のようです。活動力がないから生産がうんと減ったんです。日本が戦後五、六年経って……去年ですね。去年でも、日本の綿糸……木綿ですね。生産が世界一になって、イギリスのほうが負けちゃったんです。そんな具合に、軍備とかそういった勢力がなくなった。無論元気もないから、そこでおかしな話だが、中共政府をイギリスは先に承認しちゃったですね。いまじゃ後悔してますがね。ところが米国は承認しないからね。そこが米国とイギリスの違いです。というのはイギリスは香港を失うのが恐いんです。そこで中共を承認せざるを得ないんです。いまイギリスではポンドがなくなっちゃって、財政危機はたいへんなものですね。アメリカが助けているから、どうやらやっているようなもので、実に危ないものですね。ずいぶんアメリカから金を貸すんですが、じきにそれがなくなっちゃう。日本からも、二億円買おうとしているが、日本じゃポンドが多過ぎちゃってね。ポンドはうっかりすると、価格が下がる憂いがあるので、そうなるとたいへんで、日本でもポンドを増やさないようにしているが、そんな具合で、ポンドが非常に頼りないということは、生産が減ったからです。生産が思うようにないというのに、国民のカが弱ったんです。弱ったというのは、医学のためです。薬のためです。この根本が種痘ですからね。イギリスが一番最初に始めた。イギリス、フランスと、そういう順序になっている。そこで種痘が一番行なわれていないのは、ソ連なんです。米国はどうかというと、米国も遅いんです。あれはほとんど移民ですからね。最初にイギリスのピューリタンが渡航した。あれが先祖ですからね。二〇〇人ですかね。増えたと言っても、たいしたことはない。ですからソ連、米国は威勢が良いんですよ。そんなような具合で、神様のほうは、薬で弱らせるのは、このままでいったら世界の人類は駄目になるから、で、これ以上やらない……私がメシヤ教であばいているのは、神様の弱らせ方法を打ち切りにするというのが本当なんです。これほど文化を発達させて人間の智識をこれほどにしておけば、今度健康にしてやれば、鬼に金棒になりますからね。それで初めて地上天国ができるんですね。これは根本的の理由なんですがね。で、その力ですが、力を……神の力を現わさなければ、目が覚めない。その力を見せているんですね。

 力について、ちょっとおもしろいことを書いてある。

(御論文「力」朗読)〔「著述篇」第一〇巻四五五―四五六頁〕

「岡田茂吉全集 講話篇 第七巻 昭和二七年(続) 御教え集 『御教え集』八号」 昭和27年04月20日