昭和二十七年一月二十六日 教集06 (10)

▽前節から続く▽

 「農業特集号」は今月の三〇日にできますからね。農事試験場とか農業会……そういうものは直接本部から送りますから、その他の地方の篤農家とか、村長……そういうような人は、信者さんが配ったり、知らせたりすることは非常に良いと思うんです。いろいろ、自然農法の成績についての報告は、ほうぼうから来ましたがね。まだいろいろです。それで、本当に五年以上経って、実際に五割増産を見せたいんですが、そうすると、まだ二、三年伸びなければならない。まだようやく、実際の報告は三年くらいまでしかないんです。でも、私が前から言っている通りの成績にはなってますから、これで、五年経てば五割増産ということは想像がつくんです。で、いろいろ……まだまだだけれども、平均してみて、肥料なしで平年作ですね……最初一年目がね。二年目くらいから少し増えていくんです。もっとも、成績が悪いのは一年目に一割くらい減産のもあります。しかし、これは少ないですね。平年作が多いですね。そうすると、肥料をやらないだけは儲かりますね。二年目は少し増えますね。三年目になると一、二割は増えますね。多いのは三、四割増えてますが、だいたい一、二割が多いですね。そうすると、四年が三、四割、五年が五割というような具合ですね。だから、いくら大きな声して五年で五割といばっても良いですね。こういうのがあったんです。越後で、四年目で平年作なんです。そういうのが二つあったんです。他にはなかったですね。越後だけです。それで昨日、あっちの……小川さんに聞いてみたところ、解ったんです。そこの水田は、下が岩盤なんです。土の層が薄いんですね。そこで根張りのときに、下に行かない。そのために、昔から肥料を非常に多くやった。土が少ないから肥料をめちゃくちゃにやった。ですから、肥料が多いためと、土が少ないためと、下が岩盤のために、思うように増えなかったということが分かった。そこで、私は客土をしろと言った。そうすると土も厚くなるからね。そうする、と言って帰りましたがね。今年は、だいぶ農林省のほうで、客土を奨励してますが、客土というのは、肥料のない土でしょう。無肥料の土を山から取ってきてやると増産になるんですからね。千葉県ですかね……山から取ってきてやると、非常に穫れたんです。客土は、千葉県が一番にやるらしいですがね。そのうちにだんだん穫れなくなってきた。すると、農民はどういう解釈をするかというと、土が古くなると、養分を吸いとられて、それで穫れなくなる。肥料ということを、ぜんぜん勘定に入れませんからね。そういう考え方が非常な異いですね。間違いのもっともひどいわけですね。それからもう一つおもしろいのは、私は連作しろと言ってます。ところが、ある所では連作はいけない。連作するなら七、八年経ってからやれ。そこは茄子の名産地で、七、八年経ってから、そこに植えると言うんですね。ところが連作をやったんです。すると、非常に良く穫れたんです。そんなわけで、あべこべあべこべをやっていた。私のほうの説というのは、理屈に合っているんですからね。連作をすると、その土が作物に合うようになっていくんですからね。時間がなくなったから、「寸鉄」を読ませます。

△御講話おわり△

「『御教え集』六号,講話篇第六巻p432~」 昭和27年01月26日