昭和二十七年一月二十五日 教集06 (2)

〔御伺い〕 I・A(三八歳)。一三年前にI家に嫁入りし、それまで非常に元気でありましたが(ただ、一八年前、妊娠腹膜炎とかで手術したことがございます)、I家にまいりましてより、年中目まいがしたり頭痛がしたり、子宮が悪いという有様で、薬を服み注射をし、また鍼灸を、知らぬこととは言いながら、たくさんの薬毒を注いでおります。昭和二五年八月、体がきつく、食欲なく、また体が冷たくなり、医診では別に悪い所はないとのことでございます。死の一歩手前まで来た感じがいたしておりましたが、教会にて御浄霊をいただくようになり、だいぶ調子が良くなり、八月二八日入信させていただきました。そのころ狐霊が出、以前お参りしたことのある近所の稲荷さんの眷属で、殺す目的で憑っていることを知りました。先生方の御浄霊で、この狐霊は一応解決がつきましたので、二六年五月には熱海にお参りさせていただき、その後すっかり健康を恢復したように思われましたが、最近またまた頭が痛かったり、背中が痛かったり、また息切れ、動悸がひどく、苦しむ日が多くなり、一月一八日夜教会の座談会の終わりごろに、呼吸が苦しく、背中や頭が痛み出し、先生の御浄霊をいただいているうちに狐霊が出て「殺すまではいくら苦しくても頑張る」と言っておりました。長男は八年前、二歳のとき心臓麻痺で、I家の父は七年前、六六歳のとき腹膜炎で死亡しております。父の兄弟もおおむね若死にしております。母は後妻で、一五年前、四九歳のとき脳貧血で死亡し、実家のほうでは、母は精神病で自殺、弟二人妹一人結核で若死にしております。また父在世中、十数年間古物商を営んでおり、そのとき買った道具類の中に稲荷が三体(最上稲荷、祐徳稲荷、正一位稲荷)棚の上にほおってありましたが、入信後軒下に粗末ながらお祀りしてあります。右御垂示のほどお願い申し上げます。

【 御垂示 】 これがおかしいですね……悪い所がないならば苦しいはずがない。悪い所が解らないと言えば正直で良いです。悪い所がないどころじゃない。体がきつく……悪い所がなければ、そうなるはずがないじゃないですかね。あまりにインチキすぎるんです。もう少しうまくやったら良い。ところが、それに人間が瞞されるんですからね。実に、いまの人間の頭というのは、どうかしている。実際、本当の迷信ですね。その迷信が、こっちを迷信と言うんだからね。脳貧血……じゃないですね。脳貧血は絶対に死ぬものじゃないですね。ずいぶんいろんなことがあるんですね。これも薬毒病ですよ。それから、狐霊が憑くということは、霊が曇っているから霊が憑くんです。曇りのない霊には憑けないんですね。そこで、霊が曇っているということは、薬毒で霊が曇るんですからね。結局、薬毒で狐が憑くようにしたんですからね。ですから薬毒さえ取れば良いんです。息が苦しく……というのは、背中にある薬毒が溶けかかったんです。それから背中や頭が痛み……というのは、この辺(延髄)にある薬毒に浄化が起ったんです。結構なんで心配しなくても良い。それがあるから、狐霊が憑くんです。その薬毒を取っちゃえば、狐霊も憑けない。狐霊が殺すと言うが、そんなことができるわけがない。神様がなかったらどうか知らないがね。これはお祀りしてあるんですね。大丈夫ですよ。こんなことして、からかうんですよ。ですから、心配しないで、良く光明如来様にお願いして……そうすれば、だんだん良くなりますからね。それから、頭と背中を主に御浄霊するんですがね。押せば解るんですがね。だれが浄霊しているんですか。

〔御伺い〕 K支部のHと申します者でございます。

【 御垂示 】 力が入りすぎるんです。だから、溶けが悪い。こういうのは、じき溶けるんですがね。それから道具屋していて、お稲荷さんを三つ買っていて、棚に上げていた……ああいうことは、たいしたことはないんですよ。前からお祀りしているんじゃないからね。道具屋ですからお宮も買うでしょうからね。それを怨むということは、狐のほうが悪いんだから、ちょっとはあるでしょうが、とにかく理屈に合っていれば良いんです。人間が悪いのならだがね。だから、蛇が害をするのを殺しても、なんでもないんです。蛇がなにも害をしないのを、人間が殺すと、そうとうやられますよ……これは、人間のほうが悪いからね。そういう理屈を考えるんです。そういう霊的のことは、ちゃんと理屈が立っているもので、理由さえあれば決して心配いらない。

「『御教え集』六号,講話篇第六巻p412~414」 昭和27年01月25日