御教え 今日はお天気が良いし、暖かで……結構なお正月と言うんでしょう。つまり、気候や天気というものは、人間の心が写るんだから、まあ……なんですね……世界大戦も、この分じゃ当分大丈夫だろうという安心感が……今年は、講和にもなるし、人間の心がそれだけ……安心感が陽気に写ったと言って良いですね。
それからちょっと、時局のことをお話しますけれどもね。だいたい、朝鮮問題にしろ、あらゆる問題にしろ、米国とソ連との争いですね。争いといったところで、ソ連のほうが喧嘩ふっかけて、米国のほうが相手にならざるを得ないというのが実際ですね。ところが、最初北鮮軍が、えらい勢いでやるのはやった。ある程度成功したけれども、結局アメリカの力ですね……力に押しまくられて、だんだんだんだん手も足も出なくなった。というわけなんで、また根本からいうと、一つの大きな希望というよりか、試しにやってみるという……米国がどのくらい力があるか、あるいは自分たちのほうが……中共のほうが、どのくらい力が出せるかということを、ソ連が試しているんですね。試したといって……あわ良くば、大いに世界制覇をやろうというような……そこまでは、なかなかいきそうもないから……これ以上やったら、自分たちのほうが損だから……駄目になるから、その辺で妥協するんじゃないか……つまり、この辺でグジャグジャにしてしまおう、というような考えで、停戦……休戦交渉というものは始めたんです。それで、ソ連のほうの腹の底の底は、できるだけアメリカの力を弱らせようという……要するに消耗戦術ですね。その方策が一貫しているわけなんです。ですからピタッと平和にしてしまっては駄目なんです。だから、朝鮮問題にしろ、ただただ引き延ばしに引き延ばして、すっかり平和の握手もしないで、そうかといって、戦争で闘うようにもしないという……うまくアメリカを操って……そうして中東ですね。あの辺も、いまなかなかゴテゴテしてます。だいぶフランスなんか景気が良いですが、あれもそうとうアメリカの援助のためなんです。それからイラン、イラクですね。あの辺なんかも……あれは英国ですね。英国の力を弱らせるためです。それからエジプトとか……そういうのは、一筋の脈があって、操っているんですが、そんなこんなで、だんだんアメリカの力を弱らせて……そんなような意味からは、成功してますね。アメリカがヨーロッパ統一軍を作るため……整備するための金もたいへんなものです。それからイラン、イラク、エジプトの問題も、そのためにアメリカが直接、どうということはないが、あのために英国が非常に打撃を受けている。英国が打撃を受けるため、英国が非常に財政逼迫<ひつぱく>すると、どうしてもアメリカが助けなければならない。英国のチャーチルが、トルーマンと会議をしますが、結局は金なんです。金を、一つ貸してもらいたい……融通してもらいたい。こういうわけなんです。それは、結局アメリカの財政に間接に響くんです。そういうふうにして、だんだんアメリカを弱らせるという根本を考えていけば、これからの世界の動きというのは分かるんです。そうしてソ連の腹の底は、充分弱らせに弱らして、それから一挙にやろうという計画です。ですから、いっぽうで弱らせる方法を採って、いっぽうで戦備をだんだん充実する。飛行機の数なんか、よほどできているらしい。それから、ソ連のなんとか言うすばらしい爆撃機ですね。あれはアメリカより性能が上なんですからね。アメリカも、いま飛行機がずいぶんやられてます。B29は駄目になっちゃったですからね。それ以上のものをアメリカでこしらえてますね。そんなような具合ですから、今後の世界を見れば、いま言ったようなことを頭に入れて見れば、だいたいは解るわけです。それもこれも、五六七の世の前の、一つの……世界を片付けて、清算するんですね。その大きな現われなんです。われわれのほうは、たいして問題にはする必要はないんです。まあ……参考に知っておくくらいで良いですね。
▽次節に続く▽