--素盞嗚命が八岐大蛇を退治されたとき、尻尾から一振の銘剣が出たので、それを天照大神様へ献上されたという伝説が、もし真としますと、八岐大蛇は剣のみ呑んでいたのでありましょうか。あるいはだれかそのような銘剣を佩びた「尊」でも呑んでいたのでしょうか。尊なれば何尊でございましょうか。御垂示のほど謹んでお願い申し上げます。
勿論人間を呑んだに違いない。また呑まれた人は当時の最高位のお方でもある。というのはその剣は都牟刈の太刀と言って、尊い霊力であるからである。これについては神秘がある。それは大蛇の尾から出たのであって、この太刀というのは世を救う御魂である。八岐大蛇は、悪の世界に譬えられ、その尾というのは下層階級という意味で、下層から神人が生まれるという謎でもあるのである。
「『地上天国』三十一号、昭和二十六年十二月二十五日、19511225、岡田茂吉全集講話篇第五巻」 昭和26年12月25日