昭和二十六年十二月六日  『御教え集』五号 (6) 

御伺い K・S(四〇歳)妻も入信。家がバラックのため、御神体が御奉斎できず、千手観音様をお迎えしております。二カ月前、先代より祀っている稲荷を、善言讃詞をお奏げしただけで、川に流しました。その後長男T(七歳)が午後になると熱が出て食欲が少なくなり、教会に通って全快。今度は私がプレーナーで、左手小指を切断、すぐ教会にかけつけ、血も止まり痛みも楽にしていただきました。右の浄化と稲荷との関係がございましょうか。後で御神書を拝読いたし、稲荷の処置法が間違っているようで、気にかかっております。光明如来様をお迎えいたしたいと念じておりますが、それまで稲荷はいかがいたしましたら、よろしゅうございましょうか。

御垂示 おもしろい名前だな。これは間違ってますね。これは稲荷さんにやられたんですよ。怒ってね。だから、私は良く教えてあるんですがね。これは稲荷に対しては、良く教えてやると良い……教師の人がね。光明如来様をお祀りして、一年経ってから処置する。そうでないと、ただ善言讃詞をお奏げしただけで、おまけに光明如来様をお掛けしてないで処分すると、怒って仇しますよ。狐のほうが理由があるからね。神様は理由があれば許されるんですよ。こういうのは、一年以上お祀りして、光明如来様のお光で、狐が改心するんですね。それでお礼を言って、元にお帰り願いたいと言うんで、狐は帰るんですよ。

 ところが、狐といっても……稲荷といっても、いま言ったのは、豊川稲荷とか伏見稲荷とかいうところから、御神体をもらってやるやり方ですがね。中には野狐ですね。それから日蓮宗の行者が狐を祀れと言ってやったのがある。日蓮宗の眷族の狐です。これも割合処置しやすいんです。野狐を、祀れ祀れと言って祀るが、これはちょっと難しいんです。難しいと言っても、結局はできますが、三年くらいですね。光明如来様をお祀りして三年くらい経ってからだと、ちゃんとできますが、あんまり早くすると、中には執着の強いやつは、なんやかやと難しいです。一番難しいのは祖霊ですよ。祖霊が稲荷になって守護していますからね。それは処分できません。それは、古くから……祖先代々祀ってあるのは、祖霊が狐になって、そこを守護しているんだから、処置できない。これは庭にですね。部屋の中はおもしろくないが、しかるべき所なら、部屋の中でも良いが、なるべく庭が良い。これは代々お祀りする。しかし、その人一代信者になってやっていると、狐が人間に生まれ変わってくるから、その稲荷は、その人一代で良いわけですね。良く光明如来様にお願いするんです。稲荷様が、今度人間に生まれ変わるように、と言ってね。それで承知すると良いですね。今度、そういうことを書きましょう。『地上天国』にかね。だから、簡単にやると仇しますよ。だから、しようがないから、狐にお詫びするんですね。やっぱり、稲荷様を簡単に、もう一遍祀ってやったほうが良いですね。祀ってやって、よくお詫びして、それから一、二年経って処分する。こうやったほうが良いですね。

「『御教え集』五号、岡田茂吉全集講話篇第五巻」 昭和26年12月06日