昭和二十六年十一月二十八日  『御教え集』四号 (6) 

御伺い K・T(六二歳)昭和一八年ごろ物を持ち上げるとたんに、下腹がなんとなく力が抜けたような感じがいたしました。そのときから左太股鼠蹊部の少し上の所に小さな膨れが出ました。脱腸と気づき、脱腸帯を使用し今日に至りましたが、膨れはだんだん大きくなりました。しかし痛みは少しもありません。仰臥すれば引っ込みます。八月ごろ子供が、脱腸は色が変わるようであれば生命にかかわると、学校の先生に聞き、念のために病院へ行き、診断を受けましたところ、医師にも同じことを言われました。なお、この老年になって脱腸とは珍しいことだ。手術すれば治るが、また出るかもしれない、とのことでした。万一出っ放しになれば、時を移さず手術をしなければ、生命にかかわると言われました。私と妻と長男およびその嫁が入信させていただいております。御屏風観音様は二三年、御神体は二五年一〇月に御奉斎させていただいております。御浄霊(約三カ月)は教会の先生および家でも毎晩いただいております。脱腸にはなんら変化ございません。農家の関係上、少しは力仕事もいたしますが差し支えないものでございましょうか。また御浄霊の急所につき御垂示お願い申し上げます。

御垂示 しかし、脱腸というのは、年寄りによくありますよ。赤ん坊と年寄りに多いですね。こういうのは腹膜に毒が溜まって、圧迫するんですからね。子供のうちのは……鼠蹊部に穴が開いている……人間はね。穴が大きいのは腸が出る。年取ったのは穴が開いているということはないから、圧迫です。圧迫されるから、どうしても軟らかい所に出るんですね。それから、色が変わるようであれば生命に……こんなことはないですね。他のわけですね。腸は……腹が疵して脱出するのは、命にかかわりますが、皮の中で疵しても、まあ……命にかかわることはないですね。心配しなくても良いです。お腹に固まりがありますから、浄霊して取ると良い。それから、帯を固く締めてはいけない。固く締めると、どうしても腸を圧迫して、出るから……帯は固く締めてはいけない。それから、腎臓の後ろも大事ですから背中から尾・骨のほうをやる。それから、これも力を絶対に抜くようにしてやる。これは心配したことはないですよ。しかし、そうとう長くかかるな。年取ると、いくらか、そういった……緊張力が弱ってますからね。でも、だんだん治るから、いま言ったようにしてやってご覧なさい。

「『御教え集』四号、岡田茂吉全集講話篇第五巻」 昭和26年11月28日