昭和二十六年十一月五日 『御垂示録』四号 (12)

〔 質問者 〕二年半くらい前と思いますが、『無限』という雑誌の記者がインタビューのとき、ブランコのことをおっしゃられましたが、大きく振れるのが一般で、小さいのが明主様で、しかし小さくても止まっているのではなく動いている。という。

【 明主様 】そうですね。自動車の運転ですね。こっちに決めれば衝突する。こっちに決めても衝突する。どっちもいけないから、まっすぐ行く。自動車の運転は一番良く分かりますね。それが、つまり信仰の最高のものなんです。いままでの信仰はそういうことを説いてないですね。朧気<おぼろげ>には説いてありますがね。

〔 質問者 〕自分で過去を振り返って見ましても、むしろ信仰に対して反対する人のほうが本当だと考えられます。

【 明主様 】そうです。そこに一つの、その人は力……意志ですね。意志を持っているからね。だから、考えてみても、難しい問題でもあり、おもしろいものでもあるね。言うに言われない。……これを「妙」と言いますがね。妙智力ですね。だから、今日の論文で、悪についてなにしましたが、あれもいままで説かなかったんです。悪が必要だったということは、いままで説かなかったですね。しかし、永遠のものではない。ある時期にいくとなくなる。しかし、五六七の世になってもぜんぜんなくなるんじゃない。善のほうが悪に勝っていくんです。いままでは善のほうが、悪に負けるんです。しかし、徹底的に負けるんじゃない。ある時期にいくと勝ちますが、それが遅かった。人によっては、その人一代悪にやられたのがあるが、だんだん善のほうが勝つようになる。だから、わずかですよ。善のほうがちょっと勝てば良い。悪が四分九厘で、あと善だと良い。どうせ人間は、体欲がある以上、女が欲しい、博打がしたい、競輪だとか……パチンコなんてね。そういう気持ちがやることは、人間しかたがないですね。しかし五分を抜かなければ良い。四分九厘なら、五分のほうで抑えるから間違いない。だから、邪神は、九分九厘、神は十だ……十全だと言うが、悪は九分九厘までいくが、神様の十は一厘違うからね。

 

〔 質問者 〕悪というのは、いまの時代にはやむを得ませんが、税金問題ですがこれは、根本になるのがあるのではないかと思いますが。

【 明主様 】ありますよ。国家が間違った金を使って苦しいから、人民からというんです。というのは、太平洋戦争ですね。あの目的は、先の日清日露とは違うからね。あのときは、日本が闘わなければやられちゃうんだからね。だから勝ったんです。正当防禦だからね。今度はそうではない。八紘一宇だとか言って、世界をというのでやったんです。だからああいった結果になった。それで、ああいった間違ったことをして、金を使っちゃったので、しようがないので、人民から巻き上げるよりないので、無理な税金でやるよりしかたがないですね。

 

〔 質問者 〕税金を出す、出さないというので、隠すということから、悪が起るのではございませんでしょうか。

【 明主様 】しかたがないですね。隠すということもね。仮に、税金なら税金でも、今年は結局八〇〇〇億を越えるでしょうがね。実際に国家が賄うのには、四〇〇〇億……半分で結構です。国家が無駄をやっている。そうでしょう……私の事件でも、なにもないのに調べて、多勢の人を使って、無駄をやっている。だから国家が、それでマイナスをやっている。だから、取られるほうも隠すよりないんだ。つまり泥棒が入るから、戸締りをするようなものです。アメリカが原子爆弾を作っても、世界を併呑<へいどん>するつもりはない。ソ連が世界を併呑するから、作って……正当防衛ですね……と言うので、五六七の世になるまではしかたがないですね。

 

〔 質問者 〕五六七の世になると、無税に。

【 明主様 】と、書きますがね。五六七というのは、三六九にすべてがなる。すべての利潤も三分され、一分は国家、一分は資本家、一分は労働者になる。これは、人間の心が良くならなければ、ごまかすからね。どうせ、先で調べるまいから、というので、六分の一にでもします。労働者はストライキということになる。だから、了簡が本当にならなければならない。ごまかそうという気持ちがなくなってからでなければ、こんなことはできない。政府に三分の一やって、それでちょうど国家が賄えるようになるんです。だから、税金はいらない。無税です。税務管理もいらないから簡単で気持ちが良い。それから、病院はなくなるし、裁判所がなくなる……ぜんぜんね。小さいごまかしはちょっとありますが、凶悪や大罪人はなくなります。だから、ああいった大掛かりな裁判はね。医者も薬もなくなるということになるからして、人間の労力が余っちゃう。そこで、午前中だけ、半日働けば良い。あとは自分のしたいことをすれば良いことになるから、芸術がさかんになる。それが五六七の世です。

「『御垂示録』四号、岡田茂吉全集講話篇第四巻p301~304」 昭和26年11月05日