昭和二十六年十一月一日 『御垂示録』四号 (4)

〔 質問者 〕地方にまいりまして、自然栽培が去年より悪いというのがあり、根本的に原因があるのではないかと思い聞いてみましたところ、人糞の処理法がないために自然栽培をしてない農家にやって、その農家から、交換として藁をもらって、それを堆肥に使っていると言うのでございますが、そのようにやるというのは、一つの罪悪になるのでございましょうか。

【 明主様 】悪いですね。薬を悪いとは知っていても、捨てるのはもったいないというので、人にやるようなものです。藁をもらうのはかまいませんよ。しかし、交換するというのはいけないですね。

 

〔 質問者 〕その藁を使った場合に、有肥の藁ですと、肥毒は。

【 明主様 】無論ですとも……影響します。

〔 質問者 〕それを使うということは。

【 明主様 】肥料を食った藁は勿論いけないですね。

 

〔 質問者 〕それを間違えておりますので。

【 明主様 】間違えているんですね。

 だいたい、いつも言う通り、土の肥毒が抜けなければならない。ところが、藁の肥毒が入っては、なんにもならない。薬毒がわずかあっても浄化が起るようなもので、肥毒がわずかあっても影響します。

 

〔 質問者 〕こういうことを言いますのがおります。二年三年と自然栽培をやってきて、土地に浄霊する場合に、人体と同じで、固まっているのを溶かす場合があるかと言うのですが、浄霊のために、固まっていた化学肥料を溶かすということがあるものでございましょうか。

【 明主様 】たくさん肥料をやればありますね。やりすぎている場合はね。とにかく溶けますからね。溶けるから土全体に肥毒が漲<みなぎ>るから、それが害をするということですが、それも、一年なら一年作れば良いです。

 

〔 質問者 〕三年後に溶けるというのは。

【 明主様 】そんなことはありません。せいぜい一年ですね。

 

〔 質問者 〕大畑<おおはた>の、反当たり二石四斗収<と>れ、反当たり三石四斗と書いてありますが、これは非常に収れすぎていると思いますが、土壌の性質に因るものでしょうか。

【 明主様 】それは、本来の土の性質もあります。肥料が多い少ないというんでなく、固まる固まらないというんです。固まるというのは、あまり良くない。つまり根伸びが悪いんですね。自然栽培では、伸び放題になるから、根がうんと伸びて、うんと良く収れます。固まるのは、根伸びが悪いからね。一番根伸びの悪いのは赤土ですね。赤土でも、固まるのと、固まらないのとあります。それから、黒土は固まらないんです。だから黒土は良いんです。だから、いままでは肥料をやると赤土が黒土になる。それで良いと思ったのが、やっぱり肥毒が邪魔するから、二一天作<にいちてんさく>の五になる。堆肥で黒土になりますが、これはたいしたものですね。だいたい、栃木県のほうは土は良いですね。腐朽土ですが、腐朽土は良いですからね。

 

〔 質問者 〕茨城では非常に悪くて、二石くらいしか収れないのですが、無肥料でいたしますと、三割くらいよけい収れます。

【 明主様 】そうですか。埼玉はどうですか……静岡県は良くないですね。虫害が非常に多いですね。これは富士の火山灰の影響がありますね。火山灰でしょうね。あれがそうとう残っているでしょうね。

「『御垂示録』四号、岡田茂吉全集講話篇第四巻p258~」 昭和26年11月01日