昭和二十六年十月八日 『御垂示録』三号 (16)

〔 質問者 〕伏見稲荷を立派に祀っておりましたが、一年前に入信し、その後屏風観音さんを御奉斎し、主人がとにかく返すんだと言って、返してしまい、それより一カ月後に亡くなり、それから狐が出てきて、一家を断絶するために入ったのに、光で見破られた、とか言って暴れます。

 それはひどい。どうしてあなたは黙っていたんです。私の本に書いてあるでしょう。光明如来様をお祀りしてから、一、二年そのままにしておいて、それから処分しなければならないとあるでしょう。
  

〔 質問者 〕それをお伝えいたしましたが。

 それは順序を誤っている。それはしかたがないです。狐というのは怒りっぽいからね。執念深いからね。ふつうは三年くらいですね。そうしているうちに、だんだん弱ってきて、俺はここから出て行くという気持ちになってから処分すると良い。それでないと、暴れ放題になる。それで、元通りにしたら、狐に良くお詫びしなさい。お稲荷さんに対して「たいへん行き届かないことをしたから許してもらいたい。知らずにやったから」と、よく言い聞かせるんです。「この通り光明如来様をお祀りしたから、いたければいなさい。もしおりたくなければ、いつでもお帰りください」と、納得するように言う。そして、光明如来様に「稲荷が改心するように御守護してください」とお願いして、いま言ったように狐に詫びながら、納得するように言うんです。それでも暴れるようなら、狐のほうが悪いのですから、光明如来様にキュッとやられます。

  

〔 質問者 〕二階に光明如来様、下に稲荷を祀っておりますが。

 伏見稲荷は、中でも良いんです。一時は執着がありますから、少しは悪さをするでしょうが、だんだんおとなしくなります。
  

〔 質問者 〕産土の神様にお礼参りに行ったら良いというお言葉でございましたが。

 お礼参りばかりではない。お願いだ。
  

〔 質問者 〕その際、祝詞を奏げ、最後のところはどのように奏げましたらよろしいでしょうか。

 産土神守り給へ幸倍賜へ。で良いです。