〔 質問者 〕独裁専制政治は優れた人の頭脳による政治ができるという長所がありますが、一面独善横暴という弊害を伴うを免れず、また多数決による民主政治は衆愚政治に陥る傾向をどうすることもできません。そしてこの独裁政治と、民主政治の矛盾相剋の悩みや弊害は、国家の政治の上にも、いろいろの団体政治の上にも遺憾なく露呈しております。とすれば、これからの政治は、どうしても神主政治ともいうべき、神様の御意思をお受けして行なう政治になって行くほかないと思われます。そうすれば、各政党とも駆け引きと議論に終始し、議員の頭数によって決定したことが、はたして正しいことであるかどうかも判らない、というような心配もなくなり、政党や国会議事堂のようなものは必要がなくなると思われますが、いかがでございましょうか、お伺い申し上げます。
【 明主様 】右は少し極端な考え方である。英雄政治は専制政治になるから、無論いけない。やはりいまのところ、アメリカ式民主政治がいいのである。帰するところ、人民が幸福になる政治がいいのだから、それには専制政治より、民主政治のほうがそれにかなうわけである。
神様の政治というものはない。人民が神様を信じ、正しい信仰者になれば、今日よりいっそう優れた民主政治になるのは勿論である。
「『地上天国』二十一号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p379」 昭和26年02月25日