昭和二十五年二月二十八日 『御光話録』十九号(1)

〔 質問者 〕私は二七年間鉄道に勤務しておりましたが、昨年七月家族全部が入信させていただきました。ところが、本月二一日妻に霊が憑り、地獄より天国へかけての霊界の様相を語りつづけ、早く鉄道をやめて御神業に専心せよとの言いつけでありました。妻は二二日の夕方平常に復しましたが、二四日ふたたび霊が憑って、鉄道に出ていては駄目だとのことでありましたので、さっそく辞表を提出いたしました。課長は三月の整理のときに辞めたらどうかと親切に言ってくれましたが、二五日限り辞職せよとの霊の厳命でしたので正式に辞職いたしました。ところが、昨日会長先生より鉄道を止めろと言ったのは狐霊の悪戯とのお話を伺い、まったく驚いてしまいました。
しかし、すでに辞職いたしたあとですので、今後はお道に努力させていただきたいと存じますがよろしいでしょうか。

 そうですね、ちょっと早過ぎたように思われますがね。これは祖先の中の一人が憑ったんですね。祖先の中にもゆっくり落ちついてるのと、非常にあせるのとありますからね。これはあせる人ですよ。あせる人が狐を使ってね……だからこれは狐ばかりではないんですよ。狐はこういうことが上手なんですね。だから祖先がなにか言いたいときには多く狐を使うんです。狐だけの場合もありますけども、狐が祖霊の御用をする場合もあるんです。

 これはちょっとあせり過ぎたようですね。しかし、早過ぎたって言っても、どうせごくわずかの違いなんですからね。だからどこまでも御神業に専心進んで行くべきですね。そりゃあ、鉄道の仕事をやるより、この仕事をやってゆくほうがどれだけいいか判りゃしませんからね。鉄道の仕事だったら他に代わりはいくらでもいるし、一人や二人やめたってどうってことはありませんしね。一人でもこの御神業のためにやってゆくってのは、たいへんないいことなんですからね。大いに、一つ、やるんですね。結構なことですからね。

「『御光話録』十九号、岡田茂吉全集講話篇第三巻p412」 昭和25年02月28日