昭和二十五年一月二十日 講話(45) 光録16

〔 質問者 〕原子界の霊の部面が想念界になる、の御説から推理いたしまして、電子の霊……無線の活用のごとく、霊の活用により全世界人類が想念により通信できるような時がまいりましょうか。

 無論そうですよ。いまに想念の時代、ま、想念の無線電波の時代が来ますよ。ぜんぜん機械を使わずに例えばあんたのほうを向いて空中に字を書くと、遠くに離れててもその意味があんたに判るようになるんです。しかも距離は百里でも千里でもかまわないんです。また、ふつうに話をしても遠くの相手に通じるようになるんです。よくこういうことがあるんです。私はしばらく会わない人のことを思うと、その人があくる日ヒョッコリやって来るんですね。また、あの人に用事があるからちょっと来てもらいたいなと思うとじき来るってことがよくあるんですよ。
  

〔 質問者 〕将来はそういうことがよりいっそう高度になるのでしょうか。

 そうですね。
  

〔 質問者 〕その場合、霊の高い人のほうがその力が強いのでしょうか。

 そりゃあ無論そうですね。
  

〔 質問者 〕幾人もの人がそれをいたしますと混線するようなことはないでしょうか。(笑声)

 いや、混線はしないんです。強い所とか、肝心の所へ来るようになるんです。私はいまでもだれかが来た場合、「あいつ今日はなにしに来たんだろう、ああこういうことで来たんだな」ってすぐ判ってしまうんで、変なことだと断ってしまうんですよ。
  

〔 質問者 〕将来はみんながだれでもそうなりましょうか。

 そう、そうなるんです。……多少は違うけど、いまでも人心の機微を見るとか、機運をつかむとかいうのはそれに近いですね。……吉田首相もよく気運ということを知ってますね、で、出るべきときに出たから内閣が永く続いてるんです。いまでも国民がそうとう支持してますね。彼は日本国中の人の空気を感じるんですよ。この前の芦田が首相になるとき、吉田も出れば出られたけど、もう少し気運を醸成してから出ようってわけで今度出たんですね。まあ、そういうもんですよ。

「『御光話録』十六号、19500120、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和25年01月20日